今日の戯言

まあ予選リーグの内容からある程度予想されていた事とは言え、カタールにあそこまで内容で圧倒されてしまった事に対して、ネットの中でも失望の声は多かったですね。しかし2年前を思い起こしてみると、守備には今野がいて、攻撃では当時はキレがあった平山がいたというだけで、守備の仕方も攻撃の仕方も大熊監督の大声も(笑)ほとんど一緒だったりするんですよね。
そう考えてみると、99年WY以降に谷間の世代と呼ばれ続けてしまう根本的な問題は、選手の育成とやってるサッカーの質的な食い違い、そして理想のサッカーと現実のサッカーの食い違いにあるのではないかと思うのです。
昨日のカタールが前半にあれだけボールをつなげたのも、3バックで高い位置にラインを引いた、トルシエジャパンばりのプレス守備があったからこそであって、そもそも山本監督や大熊監督がやっているような「リスクをかけない3バック」では中盤が間延びしてしまって、お得意の15秒ダイレクトプレイもサイド攻撃もまともに出来るはずがありません。同じリスクをかけない守備なら、ジーコジャパンのように後ろで丁寧にパスを回すやり方のほうが、全体的なミスは少なくなるし選手の激しい上下動が無いのでよっぽど試合運びとしては確実なんですよ。
もし、何が何でも今のサッカーをやるならボランチは運動量が多い泥臭い選手を並べるべきなんですが、U-19のメンバーでは高柳や高萩、そして中山に船谷とことごとく足元のテクニック重視の線の細い選手ばかりで、まだトップ下の兵藤の方が汗かき役として適した働きをしていたぐらいです。かようにチームデザインも選考も根底から矛盾していたのでは、良いチームになるほうがおかしいってもんですよ。
最近はJもレベルアップして来て、ユース世代で鳴かず飛ばずでもJに入ってから急成長した選手も珍しくなくなって来たのは頼もしい限りなんですが、前回のワールドユース、アテネ五輪、そして今回とこういう試合を見続けてしまうと、この世代のトレセンの選考基準や世界のレベルで求められる能力の強化方法やプランに疑問を持たずにはいられません。田嶋氏には「15秒サッカー」などという不思議なコンセプトを捨ててもらって、今一度地に足に付いた強化をお願いしたいものです。