イタリア セリエA第2節 ラツィオ-レッジーナ(1-1)

開幕戦をスコアレスドローで発進したレッジーナが、勝利スタートとなったラツィオのホームへ乗り込んでの厳しい一戦。布陣は前節と同じように、ボナッツォーリ1トップに中村がトップ下に入る3-5-1-1。前節退場となったフランチェスキーニの代わりにはザンボーニが入る。ラツィオの方はイングランドから久々に戻ったディカーニオと、シモーネ・インザーギの2トップ。
試合はホームのラツィオが当然最初から攻勢をかけて来る。4バックの両SBが高い位置に張り、レッジーナのサイドを押し下げて試合を有利に運ぼうとするのだが、レッジーナの守備もなかなか集中力が高くてラツィオのFWを滅多にフリーにさせない。かえって、レッジーナの方がボールを持ってから丁寧なパス回しで何とかクロスまで持って行くためにラツィオの勢いが寸断され、なかなか連続攻撃を仕掛けられない。
イタリアらしく守備陣のミス以外にほとんど得点チャンスの無い淡々とした展開がひたすら続いた30分、サイドからのアバウトなクロスにPA内で競り合ったシモーネがどうみても演技にしか見えない倒れ方をし、それに主審が当然のように応えてPK。これをシモーネが決めてホームにプレゼントの1点が贈られる。
ところが、レッジーナもそう簡単にはあきらめない。失点からわずか3分後の35分に、モザルトのフィードに反応したボナッツォーリが、右サイドの角度の無いところから、背中越しのボールをスーパーゴラッソなダイレクトボレーを叩き込んで同点にしてしまう。ラツィオもこれで少し目が覚めたのか、こぼれ球をことごとくマイボールにしてレッジーナに圧力を掛けて押し込むのだが、同点のままで前半は終了する。
後半になるとレッジーナの運動量がやや落ちて来て、ラツィオがボールを支配する展開が続く。レッジーナはボールを回されては最後にマークが外れてしまって危ないシーンを作られてしまう。しかし、暑さのせいかラツィオにもプレスをかける余力が無く、レッジーナにも度々カウンターのチャンスが訪れる。
ところが25分を過ぎるとラツィオの方が先にガス欠に陥ってしまい、逆にレッジーナが押し込む展開になる。しかし悲しいかな、絶対的なシュート力を持つ選手がいないレッジーナは結果に結び付けられない。そして5分のロスタイムもさほど大きな動きが無いままに試合は終了。アウェイという事を考えるとレッジーナにとっては満足すべき結果だったのかもしれないが、内容的には勝っていただけに得点力の無さが悔やまれる。セットプレイもやや単調さが目立つだけに、もう少し何らかの工夫が欲しいところか。
今日の中村は前節よりはオフザボールの動きはややマシになったものの、PAの中にチャンスの時ほど入りたがらないのは相変わらずで、足元でのキープ力に冴えを見せているところを見ても本人の調子は悪くない様子だけに、今のうちに前線の選手としての精進と結果が欲しいところである。