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欧州CLグループF グラスゴー・セルティック-バルセロナ(1-3)

欧州で最も恐ろしいアウェイの一つであるセルティック・パーク、しかもクラブの英雄であったラーションを奪われた相手であるバルセロナを迎えるという事もあって、サポーターの熱気が最高潮に高まっている一戦。セルティックはアンリ・カマラとハートソンの2トップの下に新加入のジュニーニョ・パウリスタが控える布陣。バルサはロナウジーニョ、エトォ、ジュリの3トップにチャビ、デコがフォローする4-3-3。注目のラーションはベンチスタート。
試合はアウェイにもかからわず、バルサが非常に高い位置からプレスをかけ、中盤でボールを奪ってから3トップとデコが織り成す早くアイデアのあるパス回し、何度も攻めあがるSBを使った厚みのある攻撃でセルティックディフェンスを切り裂いていく。セルティックはバルサのプレスの前に全く攻撃が組み立てられず、攻撃の糸口は巨漢ハートソンへのロングボールのみという非常に厳しい展開。
それでもセルティックはGKの好セーブで何度もシュートを防いでいたのだが、とうとう19分に中盤で奪われたボールを拾ったロナウジーニョが得意のドリブルで一人を軽く交わして右に飛び出たデコにパス、これをデコがダイレクトでボールに突き刺してバルサが先制点を奪う。
その後はセルティックも伝統の激しいディフェンスから前に出てバルサのゴールを目指すのだが、サイドの攻防で完敗してしまっているために偶発的なチャンスに薄い枚数の前線だけの攻撃になりがちで、逆にバルサにプレスをかいくぐる広いパス回しから何度もカウンターのチャンスを作られてしまう。しかし、バルサも数多くの得点チャンスに決めきれずに前半は終了。
後半からセルティックはジュニーニョに代えてサットンを投入、高さでの勝負に出る。しかし9分に、相手陣内へプレスにかかったところをロナウジーニョ>ジュリとつながれて抜け出されたところをマクナマラが後ろから倒してしまいPK。しかし、これをセルティックGKマーシャルがナイスセーブで止める。
これが試合の流れを変えたのか、13分にアンリ・カマラの右サイドでの突破からのクロスをサットンが思いっきり伸ばした足で合わせてセルティックが同点に追いついてしまう。ここでたまらずバルサはロナウジーニョに代えてラーションを投入する。ブーイング2割、声援が8割のセルティック・パーク。
しかし、それもむなしく攻守ともに非常に積極的になったセルティックが試合の主導権を握り、バルサが全てに後手後手に回る。しかし33分、ラーションが右サイドを上がったベレッチにつなぎ、折り返したボールをジュリがダイレクトでシュート、これがDFに当たってゴールに吸い込まれてしまう。これでセルティックは気落ちしたのか、その数分後にヘッドで浮かせたバックパスをラーションに拾われて3点目を決められてしまう。その後は単発的にチャンスは作るものの、そのままの流れで試合終了。
バルサとしては、度重なる逸機にPK失敗、そして同点と非常に嫌な流れになりながらも無事勝ち点3を取れた事は、間違い無く今後の自信となった事だろう。ロナウジーニョとエトォがまだ本調子でないとは言え、デコとジュリが昨年に引き続いての好調でカバー出来ているのが大きい。セルティックはやはりラーションの抜けた穴は大きく、コンビネーションの面でも完成度は決して高いとは言えないこの状態では厳しさは免れないだろう。

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