イタリア セリエA第1節 レッジーナ-ウディネーゼ(0-0)

レッジーナホームのセリエA開幕戦、コッツァとディミケーレという攻撃の核になる選手を放出したレッジーナはボナッツォーリを1トップにして、その下に中村が入った3-5-1-1という布陣で臨む。そしてウディネーゼはそのディミケーレがFWの一角として出場。
試合はイタリアらしく、互いに丁寧にパスをつなぎつつもハードマークに度々流れが寸断されるという展開で進み、両チームともにセットプレイ以外に全くチャンスらしいチャンスが無い状態。それでも15分にボナッツォーリがスペースへの飛び出しからダイレクトでバーを叩いたシュートから、やや試合は動き始める。
レッジーナはモザルトを中心とした中盤の組織が素晴らしく、ウディネの攻撃陣を孤立させてはボールを何度も奪うものの、やっぱり引いてきてはクレクレをしてしまう中村のおかげで前線の枚数が足りずになかなか決定的な場面までは行かない。それでも今期はコンディションが良さそうなボナッツォーリの働きで何度かセットプレイのチャンスを作るのだが、中村のFKやCKも点につながらない。
後半からはウディネはディナターレを投入。そのディナターレの変幻自在なポジショニングでレッジーナの守備が混乱し、ややウディネがペースを握る。レッジーナはやや中盤の運動量が落ち、長いボールを多用しだした攻撃に手を焼き始める。そして23分にFWのガンチを投入したレッジーナは中村を左SHにした4-4-2にフォーメーションを変えて打開を図ろうとする。しかしそれで中盤が薄くなった分、かえってサイドの攻撃も機能しない。
案の定、39分にディミケーレの突破を後ろから止めてしまったフランチェスキーニが2枚目のイエローで退場してしまう。その後は、ウディネが度々セットプレイなどでチャンスを作るものの、レッジーナも審判の助けもあって何とか守りきって引き分けに終わらせる事が出来た。
レッジーナのマッツァーリ監督としては、中村の1トップ下での起用がうまく行かず、3バックから4バックへの切り替えも失敗と、何とか中村のセットプレイの精度を生かそうと苦悩していたのだが、結局うまく行かなかったのが頭の痛いところだろう。
とは言え、中村もサイドに流れてからのクロスや、たまにボランチの位置まで下がってきてからの展開パスに良いプレイを見せていたので、監督が中盤の守備力低下を覚悟して中村をボランチの位置で使う決断をするかどうかが今後の運命を決めて来そうである。