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今年のツールドフランス

前年の危うい勝利や年齢的な問題、ライバル達に遅れた前哨戦レースの結果、そしてフランスメディアを中心としたバッシングの嵐など、様々な不安要因があったにもかからわず今年のツールで何と6勝を挙げてしまうなど、今まで以上に完璧な試合運びでランス・アームストロングが前人未到の6連覇を果たしました。
そこには、この年になってまでタイムトライアルのフォームの空力的な改造をして来るようなランス自身の飽くなき鍛錬と精神力が図抜けていたのが一番なのですが、序盤の悪天候やアクシデントで選手が次々にいなくなったライバルチームを尻目に、アシスト陣のコンディションも高く保ち続けて道中での不安要因を全て取り除いてきたUSポスタルのヨハン・ブリュイネル監督を始めとするチームスタッフの仕事振り無くてはこの偉業はあり得なかったのは間違いありません。
ここでもランスは勝敗にかからわず今年で引退するのではと書いて来ましたが、合計で2位と7分近い総合タイム差をつけた結果を見てもまだまだライバルとの力の差があるのは明らかで、今までのようにツールに専念する事が出来ないようになるプロ・ツアー制度の発足やUSPからディスカバリーチャンネルへのスポンサーの変更などもあって、来年も彼のモチベーションが続くかどうかは不明なのですが、7連覇へのチャレンジは十分可能な目標になったと言えるでしょう。
ツールではボエックラーを抜いて新人賞となったカルペツも総合13位に留まるなど、戦前に期待された新しい力の台頭はそれほど無かったのですが、ウルリッヒに限界が見え始めてきてしまった現在、ジロを制したクネゴを筆頭に総合力のあるバルベルデなどが次の王者の座をかけてランスと戦うシーンと言うものを是非見せて欲しいと思います。

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