今日の戯言

近鉄の合併報道に端を発したプロ野球の混乱の中で、やたらとサッカー界を見習えとの合唱が聞こえてくる昨今ですが、カピタンの大冒険は言うに及ばず、こういうのを見ても決してサッカー界が健全に育ってるとは言えないんですがねえ。
とりあえずジーコと田嶋、そして柳沢本人には増島女史のレポートを読んで欲しいですな。これがたとえ会長のジャパンマネーへの熱意から来るリップサービスだったとしても、中田も最初は同じ立場だったんですからね。それをモノに出来るかどうかは本当に本人次第ですよ。FWなんだからFWらしいエゴを見せて欲しいんですがねえ・・・やはり無理だろうなあ(苦笑)。
ところで、昨日書いた「ふむふむ」さんへの返答に対するご意見をヴィッセルサポさんからいただきました。

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sport04/0708jf45320.html
この記事を読むと、単に基本的な体力強化をさぼってるからプレスが続かないだけのような気がします。なんて、ヴィッセルの選手だけかもしれないけど(笑)。
この練習について、藤本選手は、
>今日は今までのサッカー人生でもベスト3に入るぐらいきつい練習をしました。
と言ってます(http://www.footballer.jp/chikara/)。

お、自転車とはタイムリーな(笑)。まあ名波もベネチアで相当インターバルトレーニングを積まされたそうですし、日本のトレーニングもまだまだフィジカル的な部分が足りないのかもしれませんね。
そして、先日「ナベツネのビジョン」なるものを書いてしまったおかげで「関西アレ野球ニュース」さんに取り上げられてしまい、リンクをたどって来た野球ファンの方はさぞかしここを見て困惑されたでしょうが(笑)、ネタも無いので野球の話題を書いたついでに昨日のオーナー会議で出た球界再編論についてちょっと私見を書いてみます。
まず堤氏が言うような、1軍を1リーグ化し、3軍まで作って3軍は社会人との混合リーグにし、アメリカのマイナーリーグのように地域密着でやって行くという形を一見すると、底辺を広くしたピラミッド型、つまりJが目指すものに近い形態になるように思えます。しかし、そのピラミッドを貫く思想が全く違う事を理解しなければなりません。
サッカーの場合は、クラブレベルではJ1リーグや天皇杯優勝、そしてACLと日本やアジアのレベルで留まってはいますが、選手にとっては例外なく日本代表入りが目標としてあり、その意欲がチームの勝利や昇格へと動かし、世界における日本の活躍がクラブの価値を高めている効果は間違いなくあるわけで、基本がクラブの地域対抗であったとしても、やはりW杯優勝を頂点としたヒエラルキーにおける「上へのモチベーション」が全体の原動力になっているのは確かでしょう。
ところが野球は、1軍が降格するわけでも3軍が昇格するわけでもなく、今のところサッカーW杯のような真の世界一を決める大会がありません。確かに選手には1軍そしてメジャー行きという上昇志向があるでしょうが、代表戦というものがほとんど無いのでメジャーに行けば日本とは完全に切り離されてしまいます。相互作用の無い10球団×3という狭い範囲の中での競争に、高いモチベーションは生まれて来ません。
ただ、サッカーに比べての野球の強みは、絶対的な試合数が多い、つまりそれだけ日常化しやすいという点にあると思います。近くの球場に行く事自体が身近な娯楽であり、たとえ順位がどうであろうとも昨日の試合の内容や勝敗の話題が日常生活のアクセントとなる・・・ぶっちゃけ、関西にとっての阪神がそうなんですがね(笑)。そういう環境をあちこちに作り出す事が出来れば、この構想も可能性を増してくるように思います。サッカーとパイを食い合うのではなく、両方を地元自治体やメディアが盛り上げていって欲しいんですけどね。