今日のツール

今日注目のカペルミュールでしたが、生中継の枠に入らずに録画も無くて非常に残念でした。うがった見方をすれば、ツールの主催者であるASOがパリ-ルーベも主催しているために、別主催であるツールドフランドルのミュールよりもパリ-ルーベのパーヴェを後にして中継の中に入るようにしたのかもしれませんね。でも、パーヴェだけでも選手の非常な緊張感が伝わってきて楽しめました。
レースの方は、有力候補のイヴァン・マヨにクリストフ・モロー、そして現在マイヨジョーヌのハスホフトがそのパーヴェの直前で落車して遅れてしまい、最終的には4分近いタイム差がついてしまって事実上彼らの優勝の目は消え去ってしまいました。特にマヨは今大会の台風の目と言われていただけに大変残念です。道が狭くて危険なパーヴェの前では集団の前の方に上がっておくのが常識で、そのために直前では集団のペースが急激にアップするものなのですが、春のクラシックとは無縁なエウスカルテルチームの経験不足が致命傷になってしまいました。
そしてマイヨジョーヌ争いは、この日もゴールスプリントで上位に入ったマキュワンがボーナスタイムを稼いでトップに立ちました。明日のチームTTでロット・ドモチームが上位に来る可能性は低いので今日までのマイヨジョーヌなのは確かでしょうが、1日でも偉大な結果なのは間違いありません。
しかし、今日のレースではマヨのライバルであるアームストロング擁するUSポスタルやウルリッヒのTモバイル、ハミルトンのフォナックの各有力チームが、落車後は均等に先頭を交代して集団のペースを完全に落としきらないようにしていたのが非常に興味深かったですね。
自転車レースでは、有力選手が落車やメカニカルトラブルで遅れたときにペースを上げるのはタブーとされているのですが、裏返せばライバルにとってそれは大チャンスなわけで、有力チームが談合して一つのチームに責任が集中する事を回避しながら、ペースを上げていないポーズを取ってさらに批判をかわす狙いを感じました。こういう政治的なところがいかにもヨーロッパ的なスポーツなんだと感じますね。