J2第14節 水戸-京都(0-1)

J2の9位と言う、シーズン前の予想とはあまりに違う位置にいる京都が、1つ下の順位である水戸のホームに乗り込んでの一戦。京都は、黒部と田原の2トップに松井と熱田のSHという4-4-2のフォーメーションに変えて、水戸の布陣とのマッチアップ。
序盤は、急造フォーメーションの影響があるのか京都のパス回しがぎこちなく、中盤での簡単なパスミスからピンチを迎えるなど、かえって水戸にペースを握られる。しかし9分、右サイドをスルスルとドリブルで抜けた中払から外にいた田原につなぎ、田原は角度の無いところから見事なシュートを決めてしまう。
こうなると突然リズムが向上するのがサッカーの不思議で、京都は各選手の1対1の強さを生かしてきっちりとボール回しをしながらFWのポストプレイや松井の飛び出しにつなげてチャンスを作る。水戸は、京都の落ち着きにプレスが有効に効かず、ボールを奪う位置が低くなって決定的な場面を作るまでに行かない。
しかし、京都も雨で濡れたピッチにボールコントロールが狂う場面が目立ち、ゴール前を堅く守る水戸の前にスピードのある攻撃が出せなくなり、両チームともになかなかシュートに持っていく場面が作れない。
後半になると、水戸が樹森や関のスピードを生かして京都のDFラインの裏をシンプルに狙う攻撃でリズムをつかむ。だが京都もすぐに細かいパスをつないでポゼッションを回復し、試合は膠着状態に。
35分からは京都は斎藤を入れて早くも守りきる体制に。水戸もその分攻め込むが、セットプレイ以外ではなかなか京都を脅かす場面を作れない。あとは京都がカウンターのチャンスをいくつか作るものの、試合は何も動きが無いままに試合終了。
京都は、西村監督がセレッソでもやったように4バックにして守備は安定したが、組織的なプレスまでは出来ていないために田原と黒部のツインタワーが生きる場面が少ない。ここに原のようなスピードのあるFWを入れてカウンター指向にするか、西村監督にあまり期待は出来ないがプレスを完成させるかどちらかに方向性を固めた方が良いように思う。
水戸は前にスピードのあるいい選手はいるのだが、プレスをかける位置が低いために少ない人数で崩さねばならず、相手の大きなミスが無い限り得点の期待が出来ないところがつらいところだ。DFは堅いだけにもう少しリスクをかけた試合運びをする事を期待したい。