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J1第1ステージ第10節 FC東京-広島(1-1)

ここ最近好調な両チーム同士の対戦。FC東京は怪我明けのケリーをスタメンに起用し、1トップはルーカス、左ウイングには梶山を起用するおなじみの4-2-3-1。広島はDFに小村が入り、3トップには森崎兄弟とチアゴという3-4-3というか3-6-1。
試合は戦術意識の高い両チームらしく、中盤での奪い合いからトップへの早いボールという仕掛け合いが続く。広島は服部、東京は石川という片方のサイドの選手が裏でボールを受けるとチャンスが出来るが、反対サイドはまるで目立たず、互いに守備意識が強くて決定的なチャンスはほとんど無い。
それでも15分過ぎからはホームの東京がペースを握る。が、サイドはもちろん、トップ下の森崎兄弟までもが下がってスペースを埋める広島の守備の前にケリーもほとんど仕事が出来ない。当然、広島も守備に人数を割く分、チアゴがボールをキープしてもサポートの人数が足らず、2列目につないだところで攻撃がストップしてしまう。
30分になると、そのチアゴのポストを東京が積極的に狙うようになり、上がった広島のDFラインの裏を取るような良い形を見せ始める。そして37分、広島自陣でボールを奪った東京が右に展開、石川が切り返して上げたクロスにフリーでいたケリーがヘッドで決めて東京が先制する。
そこからも東京ペースが続いたものの得点は決められず、逆にロスタイムにセットプレイから逆サイドに運ばれたボールを受けた駒野を藤山が体当たりで倒してしまってPK。これをチアゴに決められて同点にされてしまう。
後半になると、東京の各選手のチェックに戻るスピードが遅くなり、両チームともにサイドまでボールを運ぶ回数が増え、その分ゴール前でのシーンが増えてくる。10分を過ぎるとサンパイオを中心にパスのうまさに勝る広島のボールポゼッションが増え、東京はルーカスに代わって入った阿部がいくつかチャンスを作るものの、ケリーの動きがさらに落ちてペースを失う。
23分に広島は大木を投入して4バックに変更し勝負をかける。しかし、東京の守備ラインもなかなか破綻を見せないために最後の部分での決め手に欠ける攻撃しか出来ない。40分ごろからは東京が一方的に攻めるも守りを固めた広島を崩す事は出来ずに試合終了。
両チームともに戦術的に統制が取れていて、人的にもサンパイオや今野という守備リーダーを擁して手堅い守りを見せているだけに、ケリーの不調とチアゴの両脇がパッサーという前線でのクラック不足を感じる試合だったと言える。ここからさらに上位を狙うためには、何かもう一つ決め手が欲しいところだろう。

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