J2第11節 川崎-福岡(1-0)

現在J2で好調同士の非常に注目される一戦。川崎は我那覇とジュニーニョの2トップにトップ下が今野の3-5-2に対して福岡は田中とベンチーニョの2トップの4-4-2という布陣。
試合は戦術的に整備された両チームらしく、極めてコンパクトなゾーンの中でのボールの奪い合いが続く。しかし10分を過ぎてくると、中盤でのプレスが強力な川崎がペースを握り、セカンドボールを拾っての福岡陣内でのサッカーを展開する。
福岡は山形と古賀の両翼が押し下げられてしまい、ベンチーニョと田中が孤立してしまうためにボールキープもままならずに非常に苦しい展開を強いられるのだが、それでも川崎の攻撃の核であるジュニーニョを厳しくマークして決定的なチャンスを作らせない。わずかにチャンスと呼べるものはクロスからの我那覇の遠目からのヘディングのみ。
25分ごろからようやく川崎のプレスのペースが緩み、福岡も中盤でボールを奪ってからベンチーニョのキープとサイドチェンジを生かしたカウンターの場面を作れるようになる。しかし、それも回数は数えるほどで、福岡が川崎の攻撃を紙一重で耐え忍ぶ展開のままに前半は終了する。
後半開始から、川崎は鬼木を中村に交代し、福岡の4バックを崩すために早めに相手DFの裏へパスを出す攻撃に狙いを切り替えてくる。しかしその分ボールをキープする時間が減ったためにアウグストが上がれず、サイドを中心に徐々に福岡が押し上げ始める。
25分を経過すると、両チームともに中盤が空きはじめ、福岡は増川、宮崎といった交代選手を中心にゲームを支配し、ボールをキープする福岡に対してカウンターの川崎と、前後半で全く逆の立場に変化してしまう。
そして31分、福岡はカウンターからの早い展開で最後はベンチーニョが余裕でGKと1対1の場面を迎えたものの、これをベンチーニョがアウトにかけ過ぎてしまって外してしまう。これが試合のキーポイントとなった。案の定、41分に左からのFKを飛び込んできたジュニーニョに足で合わされてしまい、これが決勝点となり試合終了。
個人能力で勝る川崎に対し、90分の間ほとんどパーフェクトなゲームプランを見せた福岡だったが、攻守におけるたった2つのミスで敗戦を喫してしまうところがサッカーと言うゲームの怖さで、派手さは無いもののサッカーの面白さが堪能できる好ゲームだった。ただ、審判の判定基準があいまいで無駄なイエローカードが多かったのが非常に残念であった。