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イタリア セリエA第30節 インテル-ボローニャ(4-2)

前節未勝利のアンコーナに勝利を献上したボローニャと、最近はアドリアーノの能力だけで勝ち点を稼いでいるインテルという波に乗れない同士の一戦。ボローニャはターレとシニョーリの前線にダッラボーナ、中田、コルッチという中盤の3-5-2、インテルはビエリが監督との確執でベンチ外、2トップはアドリアーノとレコバという布陣。
試合はインテルが押し気味ながらも組織としての崩しが無いために、ボローニャが2トップへのマークだけでインテルのチャンスを封じ、ボローニャもサイドが引いているためにターレの頭に合わせるしかなく、たまにボールがつながっても最後はインテルのDFの個人能力に押さえられてチャンスを作れない。
そんなこんなで極めて退屈に試合が経過していた32分、左サイドで2人に囲まれたアドリアーノが強引なグラウンダーのクロスを蹴り、それがフリーのレコバに渡って軽くボレーを決められてしまう。ほとんどアドリアーノ一人だけで獲得した得点だった。
その後はボローニャも攻めようとするものの肝心のシニョーリにプレイの切れが無く、少ないチャンスをものにする事ができない。そしてインテルもレコバに代えてマルティンスを投入するも何も変わらず、個人技のインテル、組織的ながらもどこか腰の引けたボローニャと言う波の無い展開のままに前半が終了する。
後半からはボローニャはコルッチに代えてベッルッチを投入、中田がダブルボランチの位置に下がる。それでややリズムが良くなったものの、8分にCKからあっさりカンナバーロにヘッドで決められて2点差に。そのすぐ後にこれまたアドリアーノのキープからマルティンス、スタンコビッチとつないで余裕の3点目。
しかし23分にスッシからのクロスのこぼれ球をベッルッチが拾ってボローニャが1点を返す。それでもインテルはマルティンスがマークについたモレッティを反転で抜き去って4点目を決めて突き放す。その後は中田の右サイドへの展開パスからベッルッチがこの日2点目を決めるもののそのまま試合終了。
ボローニャはシニョーリのチームとも言えるだけに、不調であろうとも降格の危機に無い限りはシニョーリを外すわけに行かず、組織が完成されていない今の状態ではシニョーリとの心中も致し方なかったと言うところだろうか。インテルはアドリアーノが止められない状態だけに、下手にコンパクトな組織サッカーをするよりも今のほうがCL争いには得なのかもしれない。
今日の中田は終始パスカットや展開パス、変化のあるパスで貢献するものの、やはり組織とモチベーションが不十分な状態で、2トップ以外はしっかり守るインテルに勝てるほどボローニャの他の選手に地力があるわけでもなく、孤軍奮闘の感は否めなかった。まあせいぜい代表戦でいらぬ労力の使い過ぎはしないで欲しいものである。

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