J2第6節 京都-福岡(1-4)

京都のホームゲームだが、鹿児島の鴨池陸上競技場で行われたこの試合、どうも波に乗れない京都は黒部とチェの2トップの3-4-1-2でトップ下は熱田ではなく松井の先発。福岡は2トップをベンチーニョと初先発の田中、右サイドにはこれまた初先発の山形を起用した4-4-2。
試合はいきなり動く。わずか開始3分に京都は左サイドを山形一人で突破され、そのまま角度の無いところから強烈なドリブルシュートを叩き込まれる。その後も、福岡は京都を相手にしたアウェーにもかからわず、試合開始からかなり高い位置にラインを保って厳しいプレスをかけて京都の2トップに仕事をさせない。
福岡がFWに厳しいマークを付けて来るため、京都はトップ下やアレックスの上がった右サイドで金がフリーになる場面があるのだが、松井がシュートミスをしたりクロスもうまくFWに当たらずになかなかチャンスをものに出来ない。
しかもボールへの反応や攻守の切り替え、マーク意識が福岡の方がはるかに高く、京都はしばしばカウンターから危ない場面を作ってしまう。案の定、28分にこぼれ球をフリーで拾って切れ込んだ山形を冨田が手で引き倒してしまってPK、これをアレックスに決められてしまう。
その後も京都は攻め込むものの、DFからの組み立ては皆無で早くも放り込みサッカー。それでも個人能力で福岡DFラインを突破するものの、相手の集中力が高くて最後でフリーにさせてもらえない。そしてロスタイムにスローインから再び山形に抜け出されてからのクロスを、中で完全にフリーでいた古賀が当然のように決められてとどめの3点目。
後半から京都はチェに代えて田原を投入するものの、バラバラになったチームのイメージを立て直す事は出来ず、10分に古賀にミドルシュートを簡単に決められる。その後はさすがに福岡も気の緩みと疲れが出たのか京都が攻める時間帯が続き、16分には蔵田をイエロー2枚で欠いてしまう。
そして22分に、左サイドをえぐって突破した中山が倒されPK。これを黒部が決めて京都がようやく1点を返す。しかしこれから行くぞと言うところでビジュが無理なドリブル突破をした挙句に足の裏を見せたファールをしてしまって退場。これで京都は万事休す。
まあ守備ザルがデフォルトの西村サッカーは、いかに前半の相手の組織的な崩しを運とポストでしのぎきるか、組織力が落ちる後半にごり押し出来るかが試合のカギなのだが、前半にポンポンと点を取られて後半も得点直後に退場でリズムが落ちてしまうなど、全てが裏目裏目に出た試合だった。前半に松井が決めるべき時に決めていればまた違った結果になったかもしれないが。
対して福岡は、厳しく激しい組織的なプレスに加えて、マークが甘い京都の守備を狙って俊足の田中や山形を起用した事が見事にはまるなど、松田監督のチーム作りと研究が花開いた結果だったと言える。あとは格下相手に引かれた厳しい場面で点が取れる決定力が付けば、昇格も十分狙えるのではないだろうか。