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オランダエールディビジ第27節 フェイエノールト-ローダJC(3-0)

息切れしてきたPSVに対して勝ち点4の差まで迫ってきてCLが視界に入ってきたフェイエは、カイト1トップで2列目がルルリンク、ブッフェル、スモラレク、そして小野とガリのボランチという最近のベストメンバー。ローダはコンパクトで激しいディフェンスから黒人の身体能力を生かした攻撃と言うベネルックスのリーグ流行のタイプのチームでしっかり上位につけている。
試合は開始から互いにコンパクトな布陣がぶつかる試合で予想通り激しさを見せる。フェイエは技術でパスを回そうとするのだが、ローダの守備の前への圧力が強くてセットプレイ以外になかなかシュート場面に持ち込むことが出来ない。ローダは2トップに早めにボールを当ててセカンドボールを拾う狙いははっきりしているのだが、フェイエにしては珍しく守備の集まりが早く、バイタルエリアを誰かがケアする形になってそれほど脆弱さを感じさせない。
試合が動いたのは16分。フェイエはカウンターから中盤で小野がうまくつないで左サイドへ長いスルーパス、これを拾ったブッフェルが中に切れ込んで一度は相手DFにパスをぶつけてしまうものの、再度ボールを拾ってそのままゴール。フェイエはなかなか主導権を握れなかっただけにタイミングの良い得点だった。その後は当然ローダがさらに圧力を強めるものの、フェイエもあまり集中力を切らす事も無く、ゴール前での相手のイージーなミスもあって無得点に抑えたままで後半へ。
後半も相変わらずローダは積極的に攻めに出るのだが、フェイエもこれまた珍しく飛び込みすぎない落ち着いた守備を見せて、相手のトラップなどの細かいミスを見逃さずにこまめに反撃の芽を摘んでいく。そして13分、ロングボールから左サイドでルルリンクが競ったところでローダの選手がPA内でハンド、このPKをカイトが決めて2点目。
それからは互いにやや中盤の動きが落ち始め、互いにゴール前での攻めの場面が多くなる。ここまでは試合は分からなかったのだが、30分に再びカウンターから小野がDFラインの裏へ長いスルーパス、これを抜け出したスモラレクが落ち着いて決めて試合を決める3点目。あとは怪我をした小野をスフリューデルに代えてフェイエは余裕の逃げ切りを見せた。
ライバルであるPSVがヴィレムIIに負けていよいよCL圏内まで勝ち点1差に迫ったフェイエだが、ソンにまだ軽率な守備が多いとは言え今日のような粘り強い守備が続けばかなり期待が出来るのではないだろうか。小野も点にからむ仕事はもちろん、いつものような「後ろにマークはまかせた」守備ではなくて最後までマークを外さない動きが目立ち、UEFA杯を制したシーズンを思わせるような攻守の切り替えの速さを見せる事が出来た。とにかくシンガポール戦でコンディションを崩さない事を願っているのは日本のファンだけではあるまい。

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