欧州CLベスト16第2戦 Rマドリード-バイエルンM(1-0)

バイエルンホームの第1戦を1-1で折り返してのレアルホームの第2戦。レアルはロナウドとロベルト・カルロスが欠場し、ラウル・ブラボが左SBに入ってCBはパボンとメヒア、トップ下にソラリが入ってラウルの1トップという布陣。バイエルンは
当然、試合はレアルがボールを保持してバイエルンが守りを固めると言う展開で始まるが、序盤はレアルの中盤にスペースが出来てしまったために、バイエルンに立て続けに2本のシュートを打たれてしまう。しかしレアルもすぐに対応、15分ごろからは試合は膠着状態に。
バイエルンはレアルの引きが早くなったためにボールは持てるようになるものの、レアル守備の前になかなかサイドに有効なボールを展開できない。骨折した腕をギプスで固めているせいか、サニョルの攻撃参加にも迫力が無い。かと言ってリザラズに存在感があるわけでなく、前線で張るマカーイも手持ち無沙汰のまま。
試合が動いたのは32分、バイエルンゴール前での混戦からクリアボールが高く上がり、それに反応したサルガドがコバチに競り勝って落としたボールをジダンがフリーでゴールに叩き込む。雪辱に燃えるカーンも全くノーチャンスだった。
そこからはバイエルンにもようやくエンジンがかかり、40分にゼ・ロベルトの強烈なボレー、ロスタイムにはカウンターで2対1の場面からマカーイのシュートを浴びせるもののカシージャスに阻まれ、最後のセットプレイからのピサロのシュートもゴールの中にいたサルガドにクリアされて得点出来ないままに前半終了。
後半からバイエルンはハーグリーブスに代えてシュヴァインシュタイガーを投入する。両チームとも中盤の運動量が落ち始めたので互いにゴール前でのシーンが増えてくるのだが、レアルも常に7人は守備に帰ると言う状態なので、バイエルンもなかなかチャンスを作れない。
20分過ぎに、バイエルンはサニョルに代えてサリハミジッチ、そしてピサロに代えてサンタクルスと早くも交代枠を使い切って勝負をかけるのだが試合のペースは変わらない。かえって35分にリザラズが怪我で動けなくなってしまって裏目に出る始末。あとはレアルが余裕で守りきってベスト8に進出した。
今日のレアルはロナウドやロベカルがいないせいか、華麗な宇宙戦艦と言うより個人的MOMのサルガドを始めとした個人の守備の頑張り、勝利への執念が勝ったリアリズム集団であったと言える。逆にバイエルンは、決定力の無さもさる事ながら、アウェイのせいなのかドイツらしくない戦う姿勢、勝利のための戦略の欠如が目立つ試合をやってしまった。点差こそ最小だったものの、レアルのしたたかさ、チーム修正能力の高さを見せつけたシリーズだったと言えよう。