イタリア セリエA第23節 ペルージャ-ボローニャ(4-2)

最近調子が上がってきた、言わずと知れた中田の古巣ペルージャでの一戦。ボローニャは中盤が前節に続いてロカテッリ、ダッラボーナ、中田の3ボランチにターレとシニョーリの2トップと言う3-5-2、ペルージャはラバネッリとヒュブナーというベテラン2トップを擁する4-4-2という布陣。
イタリアは最近大雪があったようでピッチは湿っている上にあちこちはげているという最悪の状態で、特に中央付近では全くボールが転がらず、ボローニャは満足なパス回しが出来ない上に、両サイドが全く攻撃にからめずにどうしようも無い。
対するペルージャは降格争いをしているとは信じられないくらい組織が素晴らしく、守備では素早く数的優位を作ってボローニャにフリーで攻撃をさせず、攻撃でも中盤でのワンタッチのパス回しで相手に高い位置でのボール奪取を許さない。自然、ボローニャは低い位置からロングボールをターレに当てるだけの攻撃になってしまう。
それでも20分近くからはボローニャも高い位置からプレスをかけるようになるものの、ひどいピッチに戸惑ってボールコントロールを焦るうちに守備陣形を整えられてしまってどうにもぎこちない攻撃に終始してしまう。そして32分、ゴール正面25mからのFKをラバネッリが見事に決めてペルージャが先制する。コースは防げなかったわけじゃないが、ボローニャGKパリウカが反対方向にステップしてしまうという珍しいミスを犯してしまった。その後もボローニャはいいところ無しに前半終了。
後半になっても試合のペースは変わらず、しびれを切らしたマッツォーネはシニョーリとロカテッリを下げてベッルッチとペッキアを投入する。それが当たってボローニャは17分に縦のボールを受けたペッキアがワンタッチでつなぎ、DFラインの裏に抜けたベッルッチが決めてボローニャは同点に。
ところが19分、CKからのセカンドボールを拾われ、コドレアにミドルシュートを決められてしまう。ボローニャはそこから攻めるものの、引いたペルージャの守備をなかなか崩せず、カウンターからのピンチをダッラボーナがPA内で相手の足を払ってしまって赤紙PK。これをゼマリアが落ち着いて決めてペルージャに3点目が決まってしまう。そして40分には再びPKを与えてしまって万事休す。ボローニャはFKから1点を返すもの、ロスタイムにまたハンドからPKを与えてしまう始末で(止めたのだが)、ペルージャの完勝という試合だった。
マッツォーネは3ボランチの3-5-2が好きなのかもしれないが、視野の広さが命の中田にはアウェイでは両サイドが上がりにくくてパスコースが限定され、中田自身の攻守の役割もはっきりしないこの布陣は合って無いように思う。運動量に欠けるロカテッリもボランチの位置では宝の持ち腐れで、選手の良いところを生かそうとする余りにかえって欠点が目立つ形になってしまっているので、今一度マッツォーネには再考して欲しいものである。