今日の戯言

現在多忙のためCLの試合は私用をこなしながら横目で観戦しているのですが、ユベントスに全く息をさせないデポルティボ・ラコルーニャのプレスは凄さには驚きましたね。何しろ、ユーベが自陣で余裕のあるボール回しがほとんど出来ないのですよ。まったくバスケのオールコートプレスじゃないんだから、とあきれるあまり画面に突っ込みたくなりましたよ。そう言えば、4年前に同じようにプレスで相手を窒息させて、中東のチームを全く問題にしなかった極東の某国があったなあ・・・とつい感慨にふけってみたりして(笑)。
カーニバルをしっかり満喫したらしい、その某国の代表監督ですが、カピタンとの会見後のインタビューでは一見今までどおりの自信に満ちているようですが、「連携を深めるのに2週間は必要」と泣き言を言うあたり、やはり解任デモに動揺の色は隠せないようですね。私はジーコ個人が嫌いなわけではないので、こういうのを見ると非常に気の毒な気がします。
想像するに、ジーコもどうしていいのか分からなくなってモチベーションが下がっているのではないでしょうか。確かにジーコが現役時代のサッカーは、2週間程度での練習でクリエイティブなプレイが出来るだけの時間とスペースの余裕があったのかもしれませんが、何もかもが限りなく圧縮されている現代のスピードサッカーでは、ある程度オートマチックにボールを運ばないと、相手ゴール前までなかなかたどり着けないのです。しかも選手には運動量とスピードが要求されるために、セントラル方式の大会のような過密日程では、レギュラーを固定してなおかつコンディションをベストに保ち続ける事は非常に困難でもあります。従ってサブの競争意識も高めておかないといけないし、コンディショニングの知識も必要になってくるわけで、ジーコに監督の素質が全く無いとは言いませんが、やはりあまりにも現代のサッカーに対して無知だと言わざるを得ません。
こう書いてきて、つくづくジーコに専門教育を受けさせる前に、監督と言う汚れ仕事を押し付けたカピタンに対する怒りを覚えざるを得ないんですが、これ以上間抜けな事をしてどうするんでしょうかね。必要なのはジーコのお友達じゃなくて、戦術や練習など最新の知識を会得してジーコに助言できるスタッフ、つまり「ジーコをコーチするコーチ」でしょうに。Numberの五輪特集号を見ても、田嶋さんを始めとする育成スタッフはその事に気付いてないはずはないと思うのですが、カピタンがそれをやらないのは最初から聞く耳を持たないのか、言っても仕方ないと思われてるのか、さっさとジーコと共倒れになって欲しいと思われてるのか。とにかくこの人が裸の王様なのは間違いないわけで、得意絶頂に見えても実は孤独なのかもしれませんねえ。