今日の戯言

今日は織田さんや某氏と一緒に3時まで飲んでいまして、すっかり更新が遅くなってしまいました。
ところで、ここ最近は代表の大嵐が吹き荒れている昨今ですが、「サッカー世界クラブ選手権、来年12月に日本で開催」という大きなニュースが飛び込んできましたね。ただでさえ過酷なスケジュールの欧州クラブをどうやって説得するのかなど課題は山積みですが、それより注目なのは、「2006年も日本でやる」という部分ですね。欧州と南米の中間と言う位置やトヨタカップでの実績、そして何よりW杯での日本の動員力による成果なのだと思いますが、この2年で成功すれば日本での恒久開催に持ち込むことも不可能ではないわけで、非常に楽しみですね。つーかカピタンも体に悪い代表の事は他の人にまかせて、こっちに専念してくれませんかね。
さてオマーン戦以来、ムズ~リ氏やケット・シー氏、武藤氏などネットでの論客からことごとくダメ出しされているジーコジャパンですが、戦術より何より発熱の選手を出場させた&リスク管理の無さが決定打になっているようで。kenskiさんより。

私は今先日の日本vsオマーン戦の毒気にやられて39度の発熱中なのですが、この状態で90分走り回るっちゅうのは正直信じられないですね。死人が出なくてよかったというか。
今シーズンまだ始まったばかりなのに、選手たちの体調に今後に影響などないか心配です。

J-NETに医者の方の書き込みがあり、39度で激しい運動をすると脱水症状から循環器系に異常をきたす可能性があり、それこそフォエ選手のようにいつ死んでもおかしくなかったそうです。協会トップからして冷静さを失い、代表チームが「チームとして何が第一か」という共通理解がされていない集団になっているという現状には本当にぞっとします。
また、「えすたっく」さんからはこんな意見が。

ジーコを批判するのは簡単だが、欧州組は合宿期間が当然短くなるので、オートマティズムを身につけさせるのは難しい。トルシエも前回W杯で中田を外そうとしていた位だ。それを踏まえた上で、どうすればいいのか、意見を述べて欲しい。今のあなたの批判は、誰にでも出来る。言い換えれば、「Who」ではなくて「How」を聞かせて欲しい。たとえば、戦術にこだわるのなら、国内組だけで戦術を極めて予選を勝ち抜き、本戦は欧州組をメインにして1ヶ月で戦術を極める、というのも1つだが、この場合、国内組だけで勝てるだろうか? もっとも、中田と小野と高原以外が、さっさとあきらめて日本に戻ってくれば解決するだろう。そのときは、まさにジーコを首にすればいい。
根本的に、日本選手の課題は、頭の中身。欧州でレギュラーになれないのも、そのせい。それをどう強化するか、が長期的な課題。トルシエ的ガチガチ戦術では頭を良くする効果を期待できないのは、現状を見ればわかる。戦術から解放されたときに何も出来ない。むしろ、低レベルの原則から、それをしっかり理解して積み上げていく事が、臨機応変につながる。数学や物理と同じ。いわばサッカー学とでも言おうか。
日本のサッカーのレベルは、小器用にボールを蹴れる選手が増えた、すなわち、3つのBの1つだけがそこそこ、というだけ。みんな、幻想を抱きすぎなのではないか?

まずオートマティズムについてですが、日本以上に欧州組だらけのアルゼンチンは、ビエルサが徹底的にプレス戦術を叩き込んみ、本番こそ失敗しましたが南米予選を余裕で通過しています。半年前に日本に負けたチュニジアは半数が海外組であるにもかからわず、つい最近アフリカネーションズカップで優勝しました。中田についても、トルシエが外そうとしたのはトルコ戦での勝手なポジショニングによるもので、ポーランド戦では実に見事に戦術の要として機能していました。従って、時間的に難しいと言うのはただの言い訳に過ぎません。しかも日本にはトルシエの時の4年間の蓄積があるので、欧州組が増えたとは言えラインコントロールを駆使したプレス戦術を指向する監督であれば、組織化するのにそれほど時間はかからないでしょう。
そして「戦術から解放されたときに何も出来ない」という部分ですが、いくらガチガチの戦術指向であっても最終的には個人の判断なのです。W杯ベルギー戦の失点も、1点目の直接の原因はは市川のラインを上げるのかマークするのかの判断が中途半端だった事であり、2点目は2列目の選手の飛び出しへのマークミスと楢崎のポジショニングミスが原因に過ぎません。ロシア戦以降のラインを上げすぎない守備やジーコジャパンの守備は、単に「相手のゴールに近い位置でボールを奪って守備陣形が整う前に攻める」という攻撃力を捨てたリスク回避の安全指向になったというだけで、戦術からの解放などという二元論で論じる事については疑問に思います。
ただ、選手の頭の中身という点には同意ですね。特に日本はまだまだ「プロ意識」に欠けているように思います。それは選手の自律や鍛錬というだけでなく、「適材適所」という意味においてもです。例えばマルディーニやロベルト・カルロスを見ても、彼らぐらいのテクニックがあれば、花形ポジションのトップ下やFWでも十分やって行けたはずです。しかし彼らやその指導者はそういう選択をせず、彼らの能力を最大限に生かす場所を選び、それぞれのポジションで世界一になりました。「点を取ることにこだわらない」FWや、「走りをさぼりたがる」ボランチ、「安全な位置からラストパスだけを出すだけ」のトップ下は、サッカー強国では育成段階から淘汰されている事でしょう。その意味では、我々ファンや指導者の頭の中身も改善する必要があるのだと思いますね。