イタリア セリエA第21節 ボローニャ-モデナ(1-1)

お互いかなり仲が悪い事で有名らしいエミリアロマーニャダービーの一戦。何かスタンドにも殺伐とした雰囲気が流れている。ボローニャはシニョーリがベンチ入りしたものの先発はロカテッリで、出場停止のネルボに代えてベッルッチが入った3-5-1-1。マレザーニ率いるモデナはサンプドリアから加入したマラッツィーナが前線に入った3-4-3で臨む。
試合はイタリアらしい激しいプレスで中盤を潰しあう展開で推移する。モデナはボローニャがボールを持っている時には中田にマンマークを付けて攻撃の起点を殺し、ターレに厳しいマークを付けたコンパクトな守備でボローニャに決定的なチャンスを与えない。そして攻撃時にはナイジェリア出身のマキンワの高い身体能力を生かしたキープからカウンターを仕掛けてくる。
中田を封じられたボローニャがロングボールだらけで攻めあぐむ一方、モデナは押されながらも効果的な攻めを見せていた流れを象徴するように、32分にコルッチがハンドのイエローを取られて早々と退場してしまう。しかし、ADOの試合を見ても分かるように、数的優位に立った側に罠が待ち構えているのがサッカーの常で、35分にベッルッチの放ったミドルシュートが相手DFのクリアミスを誘い、ボールを拾ったロカテッリが難なく決めてボローニャが幸運な先制点。
それからは3-4-1-1となったボローニャをモデナが当然のように攻め立てるのだが、そこがオランダとイタリアとの違いで、ボローニャはうまくスペースを消してモデナにシュートチャンスを与えず、そのまま前半は終了する。
後半になると数的優位を生かしてボローニャがボールを支配するものの、ボローニャも何とか粘り強い守備で守り抜く。しかし19分に、モデナはセカンドボールを拾ったビニャロールの早めに上げたクロスを途中交代で入ったアモルーゾが胸トラップから反転して同点ゴールを決める。
そこからもモデナはDFラインをハーフウェイ付近にまで上げて攻め続けるものの、何とかボローニャは防ぎ続ける。しかし、直前に戸田の試合を見ているだけに、誰かが抜かれても必ずカバーが入っているイタリアの守備意識の高さには本当に感嘆させられる。そして試合はそのまま終了。ボローニャは退場者を出しながら何とか勝ち点1を手に入れた。
今日の中田は前半はマークに付かれ、退場者が出てからはひたすら守備のカバーに走り回っていたが、決して穴を作らず攻撃も手を抜かず本当に良く頑張っていた。注文があるとすればセットプレイの精度がもう一つだったことぐらいだろうか。ミッドウィークには日本代表の監督業と非常に大変だろうが、何とか故障せずに頑張って欲しいものである。