イタリア セリエA第20節 ウディネーゼ-ボローニャ(1-3)

観客の入りがやや寂しいウディネホームのあまり盛り上がりの材料が無い1戦。ボローニャはターレの1トップにロカテッリのトップ下、中田とペッキアとコルッチの3ボランチに3バックと言うミラン戦と同様の布陣で臨む。
開始から、ボローニャは最近のスタイルである中田を中心としたポゼッションサッカーで試合をやや優位に進める。しかしそれも15分までで、そこからはホームのウディネーゼがロングボールから早い出足でセカンドボールを拾う攻撃が機能し始め、ポストを叩く強烈なシュートの場面を作ったりする。
しかし先制はボローニャ。カウンターの場面からの中田の長いパスはセンシーニに渡るミスだったのだが、センシーニがコントロールを誤ってしまい、拾ったロカテッリがドリブルから左アウトサイドでのシュート。これがGKの不意をついて見事に決まる。
そこからはウディネーゼの攻撃はより迫力を増し、ロカテッリが中盤で埋もれて消えてしまって前線での起点が無くなってボローニャはなかなかパスをつなげられなくなる。中田もターレをカバーすべく高い位置に居ようとするのだがボールをもらっても厳しいプレスにあって動けない。
そして46分、ウディネーゼはPA真横のFKからマイナスに折り返すサインプレー。これをヤンクロフスキが見事なミドルシュートを決めてウディネは良い時間帯で同点に追いついてハーフタイム。
後半開始早々、ボローニャはゴールから29mのFKをゲット。少し流したボールを中田がダイレクトで低い弾道のシュート。これがウディネGKデサンクティスが目測を誤って脇の下を通してしまってボローニャが再びリード。
そこからはやや中盤にスペースが出来始めて両チームとも攻めあう展開。ウディネーゼはゴール前に人をかけてパワープレイ気味に攻めるがパリウカの好セーブやゴールをオフサイドに取られるなど不運が続いてなかなか同点にする事が出来ない。
30分にボローニャはテルツィを入れて4バックにして守りきる気配。ウディネーゼもヤンカーを投入してより攻めの狙いをはっきりさせるものの、単調で精度の無いクロスが続いてかえってボローニャは守りやすくなる。
そして44分にカウンターから抜け出した中田のクロスが流れたところをコルッチが叩き込んで駄目押し。ウディネーゼはロスタイムにヤンカーがPKをゲットするものの、せっかく決めたPKのやり直しを命じられ、案の定パリウカにセーブされるなど踏んだり蹴ったり。ボローニャは運も味方して貴重な勝ち点3をゲットした。
今日の中田は、得点こそ決めたものの相変わらず0.5人分の働きしかしないロカテッリの分もカバーして幅広く動き回り、安定したボールキープでポゼッションの要としてよく働いた。結果的に全得点にからみ、この試合のMOMも当然だろう。しかし、中田のキャリアを考えたらダブルボランチでもう少し守備意識の高い仕事をして欲しいのだが、ボローニャの選手層がそれを許さないので痛し痒しである。シニョーリの復帰でボローニャがどこまでレベルアップするかが本当に楽しみだ。