キリンチャレンジカップ 日本-マレーシア(4-0)

アジア1次予選が始まる2004年の最初の試合とあって日本は好スタートを切りたい試合。先発はGK土肥、DF三都主、宮本、坪井、山田、MF小笠原、遠藤、山田卓、藤田、FW本山、久保の4-4-2。
試合は開始直後こそマレーシアがコンパクトなプレスを仕掛けるものの、小笠原の惜しいシュートから日本が主導権を奪い返す。そして試合が動いたのは9分。縦パスを受けた小笠原が反転してからのドリブルシュートをマレーシアのGKが完全に目測を誤ってラッキーなゴールを決める。
その後も日本は、中盤で遠藤を中心にワンタッチでパスを回してサイドに開いた選手に展開し、そこからのクロスや中央での攻撃参加につなげるといった組み立ての狙いが見える。ただ、肝心の久保がまだコンディションが上がってないのか全く存在感が無くてトラップやパスミスを繰り返したり、せっかくサイドでフリーになってもクロスの精度に欠けてなかなか得点出来ない。25分過ぎからは日本もペースが落ちてマレーシアにいくつかセットプレイのチャンスを作られる始末。
ようやく36分に右CKからの小笠原のクロスを宮本がダイビングヘッドで決めて2点目、44分には三都主からのクロスを右で受けた本山が中央に折り返したところを山田がダイレクトで3点目を決めて面目を保つ。
後半は開始早々に三都主からのクロスのこぼれ球を遠藤がボレーで決めて日本は幸先良く得点する。しかし、その後はマレーシアのプレスが強くなった事もあって、日本はなかなかボールをうまくつなげられなくなる。時々はチャンスらしきものはあるのだが、ラストプレイの部分で精度が無かったり息が合わずに決められない。
さらに20分にはジーコは何とDFラインを三浦、中澤、茂庭、加地のセットに総とっかえしてしまう。交代してしばらくは加地の積極的な攻め上がりからチャンスを作るものの、前線に疲れが出たこともあって日本はペースががた落ちしてしまう。25分過ぎにはまた一気に黒部、奥、石川、都築を投入するものの連動した動きがなかなか作れず試合の状況は好転しない。
さらに35分ごろからは守備からのつなぎにパスミスが目立つようになり、マレーシアに押される展開に。それでも相手のシュートミスなどでなんとか失点は食らわずにぐだぐだのまま試合終了。
まあ得点こそそれなりに入ったものの相手GKのミスによるものが多く、終始ミスだらけで藤田のフリーのシュートまでブロックした(笑)久保を始め明らかに選手のコンディションレベルに差があり、引いた相手を崩す狙いはある程度見えたものの実現の度合いはかなり低かったと言える。収穫があるとすれば、引いた相手には遠藤のワンタッチでのパス回しが有効なのが確認できた事と、三都主の上がるタイミングをつかみ始めた事、中盤の選手がサイドに流れたスペースにボランチなりSBなりが入り込む攻めのバリエーションが見れた事ぐらいだろう。
次はイラク相手だが、マレーシアより強くフィジカルとスピードのある相手だけに、より精度の高さとスピードが攻撃に求められてくるのは間違いない。2週間後に迫ったオマーン戦を良いリズムで迎えられるように快勝を期待したい。