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ワールドユース準々決勝 日本-ブラジル(1-5)

日本は平山が初先発で坂田と組み、角田が戻ってきて左CB、中央に菊地、右に近藤、あとはいつものメンバー。ブラジルは4-4-2の伝統のフォーメーション。
試合はいきなり動いてしまう。開始2分に左サイドの突破を徳永が倒してしまい、ゴールやや左のFKをカルバーニョにポストに当てながら決められてしまう。
そこからはほぼブラジルの一方的なペースで、つなぎのパスにミスが無く、スペースがあるとどんどんドリブルで持ち込まれ、1対1で交わされてはピンチを作られる。日本はせっかく高い位置でボールを奪っても前線の選手にパスミスが多くてリズムを取り戻せない。
12分には右SBのダニエルに深くドリブルで突破されて、菊地が一度はボールを取るものの切り替えしたところをボールをかっさらわれて決められ、その3分後にはCKのクリアボールを角田が上に上げてしまったところを近藤が競り合いに負けて蹴りこまれる。
22分には日本は小林に代えて谷澤を投入、ブラジルもペースを落としたために日本もようやく試合が出来るようになる。しかし坂田や谷澤のドリブルからのチャンスも最後でうまく阻まれて得点出来ない。逆に前半ロスタイムにブラジルは左に展開し、クロスボールをポストで落とされ、拾ったニウマールがドリブルで持ち込んでシュート、これがDFの足に当たって川島の頭を越えて入ってしまう。
後半の日本は、守備でもブラジルがドリブルをし始めたところをファールで止めるようになるなど、リズムを相手に渡さない工夫をし始め、ブラジルがかなりペースを落とした事もあって、サイドからの崩しを中心にチャンスを作る。が、平山がトラップしたところをクリアされたり、走りこんでのダイレクトシュートの場面でうまくコースに入られるなど、日本の詰めの甘さをブラジルの守備は見逃さない。
その後も鈴木や谷澤がシュートを打つものの決められず、このまま試合は終わるかと思われた43分、左CKから平山がGKとの競り合いに勝ってヘディングで見事なゴールを決めて何とか一矢を報いる。しかしロスタイムに逆にニウマールに5点目を決められて試合終了。
ナイジェリアワールドユース決勝と同じく、開始早々で点を取られて浮き足立ち、どこを修正すればいいのか分からないうちに失点を重ねてしまったという感じだろうか。日本は確かにボールを蹴る技術ではブラジルと遜色ない事を証明したが、ドリブルの技術、競り合いのうまさ、守備の厳しさ、判断のスピード、勝負どころを見極める経験と、それ以外の全ての部分で差を見せ付けられてしまった。
しかし、平山の高さとポストプレイ、坂田のテクニックとスピード、今野のフィジカルと運動量、川島のボールセービングとフィードなど、個々の選手には世界で通用する点も見られたのは確かであり、この敗戦の悔しさをどう今後の成長に生かせるか、そして日本の育成手段の進歩につなげられるかが重要なのは間違いない。

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