イングランド プレミアリーグ アーセナル-フルハム(0-0)

CLも2位に浮上して好調のアーセナルがフルハムをホームに迎えた試合。前線はアンリとベルカンプのコンビで臨む。フルハムはデイビスがCMFに入って稲本とマルブランクが左右のSHという布陣。
試合はホームのアーセナルの完璧なペース。フルハムもまるでイタリアのようにほとんど守備ラインを上げずにスペースを封じて何とかアーセナルの攻撃を無力化しようという作戦に出るが、アーセナルはフルハムの厚い中盤を個人技でこじ開けてチャンスを作ってしまうのだからどうしようもない。
稲本もほとんど守備専で、たまに上がってもすぐにボールを取られて裏のスペースにボールを通され、待ち構えたアンリが軽~くSBとの1対1を突破してくるのだから上がりようも無い。リュングベリを始め中盤の選手に雨あられとシュートを打たれるが、何とかファンデルサールの好セーブで防ぎきる。おそらく前半のボールポゼッションは8対2ぐらいじゃなかっただろうか。
後半になってもアーセナルのペースは変わらない。しかし20分過ぎになるとアーセナルにやや攻め疲れが見え、フルハムもカウンターの場面を作るようになるが、アーセナルもカヌーを投入して前線でキープの拠点を作ってサイドからまたチャンスを作る。しかし今日は鬼神と化したファンデルサールが強烈なシュートをことごとくはじいてしまう。
30分からはアーセナルの中盤の運動量が落ち、引いたフルハムがボールを奪って中盤でボールを持てる場面が出てくる。だが疲労もあってか最後の部分でミスが出て決定的チャンスまでは行かない。そんなこんなで結局アーセナルは最後までパスを回したまま、フルハムがアウェイで殊勲の勝ち点1を手に入れた。
フルハムのここまで完璧に引いた守りと言うのは、勇敢に攻める事が美徳とされるイングランドではまずお目にかかれず、アーセナルの弱点を突いてそれを徹底させたコールマン監督の手腕はやはりただものではない。
稲本は前半はとろい動きが目に付いたが、後半はやや消極的ながらも攻めに出てくる場面も増えてまずまずだったのではないだろうか。90分ペースが一定しないところは相変わらずだが、今日は与えられた最低限の仕事をこなしたという点では及第点だろう。