欧州CL1次リーグ GroupB アーセナル-ディナモ・キエフ(1-0)

前節まで勝ち点たったの1と絶体絶命のアーセナルが、前回苦杯を喫したディナモキエフをハイバリーに迎えた一戦。アーセナルはアンリとベルカンプの2トップ、ピレス、リュングベリのSHと当然のベストメンバー。
試合開始からアーセナルが圧倒するかと思ったが、キエフも高いラインを引いて早い中盤のチェックからサイドに展開し、ワンタッチのパス回しでFWのシャツキフに合わせるといったアーセナルに良く似た攻め方で対抗してくる。引かれるとつらいアーセナルも相手のラインが高いためにプレイしやすそうで、キエフに負けじとチャンスを作り、互いにシュートを放つスピーディーなサッカーが展開される。
しかし15分ごろからはやや試合が膠着してアーセナルが押し気味の展開となり、それでもキエフはサイドを中心に危険なカウンターを繰り出していたのだが、25分ごろからは完全にアーセナルのワンサイドゲームとなってしまう。
アーセナルはハーフラインよりもDFが高く押し上げ、ほとんどキエフに攻撃させずにアーセナルらしい速いパスワークとドリブルを織り交ぜてキエフゴールにシュートの雨を降らせるが、キエフも間一髪のピンチを何とか体で防いで得点を与えない。40分になるとキエフもようやく攻撃が出来るようになるが、それまでのような正確なカウンターは影を潜めて可能性の低いシュートを放つだけで前半終了。
後半開始からもアーセナルの猛攻は続き、ベルカンプ、ピレス、リュングベリとシュートを放つがやっぱり決まらない。10分ごろからはキエフも息を吹き返し、PA付近でボールを回されて枠をぎりぎり外れたとは言え決定的な場面を作るなど嫌な雰囲気が漂ってくる。25分ごろからはキエフは完全に引き分け狙いで引きこもってしまい、アーセナルはイライラがさらに募り始める。
そしてアーセナルのCLも終了感が漂い始めた42分、右サイドからの適当な浮き球のクロスを競り合いながらもアンリがヘッドで流し、そのボールが飛び込んできたアシュリーコールの頭にばっちり合ってアーセナルが仮死状態から息を吹き返す値千金のゴールを決める。もはやキエフに反抗する力は残っておらず、試合はそのままあっさりと終了。
今日のアーセナルは86分間何十本シュートを放っても決まらず、とことんサッカーの神様に嫌われたと思われたのだが、幸運にも最後に気まぐれを起こしてもらえた。しかしまだグループ最下位で厳しい立場である事には変わらず、この勢いを2連勝へとつなげて奇跡を起こす事ができるのか。注目である。