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ユーロ予選 Group7 トルコ-イングランド(0-0)

ベジクタシュのホームにイングランドを迎えた大一番。イングランドの国歌中には始終ブーイング、トルコ国歌の時にはスタンドが揺れる大合唱と予想以上の異様な雰囲気。審判のコッリーナさんもさすがに表情が硬い。
トルコはニハトとハカンシュクールの2トップ、バシュトゥルクやイルハン、トゥンジャイは控えスタート。イングランドはヘスキーとルーニーの2トップにリオ・ファーディナンドの代わりにはテリーという先発。
トルコは開始から高いラインを維持してイングランドを攻め立てるが、グランドが緩くてパスがつなぎにくい上に、攻撃がどうにも真ん中に偏って中央を固めたイングランドを崩せず、イングランドがサイドを中心にしたカウンターで対抗して来るためにトルコはなかなか自分達のリズムにならない。それでも15分過ぎにはようやく前でボールがつながるようになっていくつかシュートを打つ場面を作る。
しかしイングランドもギャリー・ネヴィルとアシュリー・コールがあまり上がらずにサイドをケアして落ち着いた守備を見せ、これはイングランドペースになって来たかなと思った36分、右サイドをドリブルで上がったジェラードがPA内に入り込み、トゥガイが足を引っ掛けてしまってPKゲット。しかしこのPKを思い切り蹴ろうとしたベッカムが足を滑らせてホームランにしてしまう。
普通ならば、こういったチャンスを潰してしまうと精神的にガタガタと行ってしまうものだが、今日のイングランドは崩れない。前半終了間際のオカンとニハトを中心としたサイド攻撃に耐え、後半20分からのトゥンジャイ、イルハンというFWの連続投入にも慌てるそぶりが無い。
トルコはFW4枚にした直後はイングランドをゴール前にくぎ付けにする場面を作ったのだが、コンビネーションの狂いは明らかで徐々にリズムが作れなくなってしまい、イングランドに度々カウンターを許してしまう。残り時間もイングランドは決して無理な攻めをせずにしっかりと守りきって試合終了。イングランドが冷静で計算し尽くしたドローでユーロ本大会の切符を手にした。
今日の勝敗を分けた点はメンタルに尽きる。イングランドは試合前のゴタゴタをうまく利用してチームの結束を固め、試合中も決して慌てる事が無かったのに対し、トルコは気ばかり焦ってしまって空回りし、最後まで攻撃のリズムが作れなかった。サッカーではどちらかに有利な条件が重なるとえてして逆の結果が出る事があるが、それの典型を見るような試合だった。

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