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J2第37節 川崎-新潟(3-0)

J2の首位対3位の直接対決。新潟はこの試合に勝てばほぼ昇格の切符を手にする事が出来、逆に川崎はここで勝てないと非常に厳しい立場に追い込まれるという、クラブの運命を分ける大一番は両チームほぼベストメンバー。
試合の重みを考えれば慎重な立ち上がりになるかと思われたが、試合は意外にも早々に動く。わずか開始1分、中盤でボールを受けたジュニーニョが左サイドをドリブルで駆け上がり、クロスが流れたところを右サイドにいた塩川が折り返し、それをホベルチが押し込んで川崎が先制。
その後も川崎は前からのプレスとFWの個人技で新潟を脅かす。新潟は相手FWのスピードを恐れてかラインの位置が中途半端で、しかもマークがはっきりしていないためにホベルチやジュニーニョが下がってボールを受けたときにプレッシャーが全くかかって無くて、個人技で簡単に裏を取られてしまう。さらにドリブルへのプレッシャーが弱いので人がいるにもかからわず止めきれない。
25分過ぎからはリードした川崎の中盤が引いてややスペースが出来たせいで、ボールを中盤で持てるようになったのだが攻めが真ん中に偏りすぎ、サイドへの展開があっても上がりが遅いので中央と最後を固めている川崎の守備を崩せない。
前半は完全に川崎ペースだったが、後半に入ると川崎の中盤が完全に引いてしまって8人が自陣に張り付いた状態になって新潟が押し込む時間帯が続く。しかし人が中に固まってサイドを広く早く使えないのは相変わらずで、引きながらもプレイヤー間のスペースを作らない川崎にうまく守られてしまう。
20分からは新潟も疲れて攻守の切り替えが遅くなり、両チームともゴール前でのシーンが多くなるが得点は決められない。最後は新潟も人数をかけて攻めるのだが川崎は高い集中力で新潟の選手をフリーにしない。そして85分にカウンターから我那覇に、88分にジュニーニョに駄目押しをくらって試合終了。
新潟はサイドをうまく使えた時にはチャンスを作れていたのに、そういうシーンがあまりにも少なすぎた。とは言え、川崎が戦術、集中力、個人技全てに上回った試合だったのは間違いない。J2はまだまだ混戦が続きそうである。

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