J1第2ステージ第2節 京都-浦和(0-0)

気温何と32度という盆地京都ならではの酷暑の中の試合。
ピム監督に変わってからの京都は初めて見るのだが、鈴木と角田をSBに置いてトップ下が大野というダイアモンド型の4バック。対する浦和は山瀬トップ下に田中、エメルソンの2トップといういつものトリデンテ。
京都は4バックとは言え完全なフラットで高い位置を保ち、前半はそれを生かして優勢に攻める。しかし、狭いエリアでのパス回しの形がまだ無いせいか、黒部をめがけたロングボールかビジュと鈴木のサイドからのクロスのみで、松井が生きるような中央からの崩しがほとんど無いので高さに強い浦和の守備を崩す事が出来ない。
こうなるとエメルソンのカウンターが生きてしまうもので、29分に手島の軽率なクリアミスをエメルソンに拾われ、それを防ごうとした手島が手で倒してしまい一発レッド。若い上に4バックにまだ慣れていないのもあるのか序盤から軽率なミスが多かった京都だが、とうとうやってしまったという感じ。
しかし面白いもので、引いてカウンターが得意なレッズは試合を支配するようになるとかえって攻撃の輝きを失い始める。それでも後半開始直後はエメルソンのどフリーでのボレーシュートや鈴木のミドルなど絶好機があったのだが、これがことごとくクロスバーに当たってしまう。
それからは浦和にも疲れが出て2トップの動きとサポートが遅くなって、8人の2ラインでスペースを埋めて引きこもる京都の守備を破る場面がほとんど無くなり試合終了。浦和は優勝を狙う上でもったいない勝ち点2を落としてしまった。
京都は10人になってからは守備一辺倒になってしまったが、高いラインから鈴木や角田のオーバーラップを生かすという戦術の狙いが非常にアグレッシブで、守備のミスが無くなって中央からの崩しのパターンが出来始めると結構面白い存在になりそうである。
浦和は、高さが無い分相手に引かれると攻めという点ではどうしても厳しくなるのだが、サイドが上がった時間帯は良い波状攻撃をかけていたので、坪井の成長が著しい事を考えれば、もっとリスクをかけた攻撃を意図しても良いのではないかと思う。あとはセットプレイももっと使いこなせないと勝ちきるチームになるのはなかなか難しいので優勝を狙うにはその辺にも課題が残るだろう。