今日のツール

今日は会社から(笑)。
昨日の第8ステージは、最後の上り坂でヴィノクロフがアタックし、それを追撃したアームストロングを追った総合2位のベローキが、ゴールまで残り4.5kmの坂の下りで熱さで溶けたアスファルトにタイヤが取られてバースト、そのままバイクのようなハイサイド転倒で無念のリタイアと悪い意味で劇的な結末となってしまいました。
ベローキは結局腰骨や右大腿骨、右ひじなどを数箇所骨折と言う大変な重傷で、総合4位だったヴィノクロフにタイム差を逆転されないようにと無理な追撃をした事が不幸を呼んでしまいました。ベローキのオンセチームの監督は事故直前にアームストロングを先に行かせるようにとの指令を出していたらしく、たらればになってしまうんですが、その指示がもっと早くに出されていればなと思わずにはいられません。この日も成功はしませんでしたがアタックを仕掛けるなど彼自身今年は非常に好調で、ピレネーで必ずやアームストロングに立ちはだかるだろうと思われていただけに本当に残念です。
ベローキの直後を走っていたアームストロングは、落車を何とか避けたもののコースアウト、しかしヘアピンだったので下の道まで突っ切ってのショートカットで影響を最小限に留める事が出来ました。主催者もやむを得ない処置とそれで結果が有利になったわけではないとの判断でペナルティ無しのようですね。しかし良く考えてみれば落車にパンク、後続との衝突という立て続けの危険があったのに無事だったのは本当にラッキーでした。これを運を使い切ったと見るべきか女神に愛されていると見るべきか、果たしてどちらなんでしょうか。
結局ヴィノクロフは後続の落車を尻目に逃げ切り、アジア人最初のツールステージ優勝を飾ると同時に、総合トップのアームストロングまで21秒差に肉薄してきました。実はヴィノクロフは今年3月にレース中の落車で死亡したキヴィレフ選手と同じ国籍で、彼自身インタビューで「キヴィレフが自分を後押ししてくれているんだ」とこのツールでの活躍について語っているようですね。ツールドフランス直前のツールドスイスでも優勝しているので体調のピーキングという点では不安が残るところはありますが、ベローキ不在の後半戦でキヴィレフ、ベローキと合わせて3人力で頑張って欲しいものです。
今日はほぼ平坦と言うか緩い下りの、一時中田の移籍が噂されたクラブがある南仏マルセイユがゴールのステージです。スタジアムのヴェロドロームも画面に映るかもしれませんね。レースの方は明日が休日の上に100周年特別賞がかかったゴール、しかも天敵ペタッキがリタイアしたとあって、スプリンター擁するチームが目の色を変えてゴールを争う展開になりそうです。昨日の革命記念日にいいところが無かったフランス人選手も一発の大逃げを狙ってくるでしょう。とにかくゴール前は目が離せないのは間違いありません。