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J1第1ステージ第11節 鹿島-磐田(5-2)

優勝争いを占う一戦であり、しかも柳沢の送別試合というアントラーズサポーターにとってはいやが上にでも盛り上がる試合。当然鹿島スタジアムは満員でジュビロボールには始終ブーイングが飛ばされるという異様な雰囲気が漂う。
磐田は中山が怪我で欠場したので代役は前田。しかし、スタジアムの雰囲気に押されて激しいプレスをかけてくる鹿島に対して前半は全くポストプレイが出来ず、磐田は攻撃がほとんどつながらない。逆に鹿島はコンフェデの日本をヒントにしたかのような高いラインからのプレス、中盤を経由した早いパス回しで磐田の守備を翻弄する。
前半8分、ロングスローを拾った小笠原が右からのクロス、ゴール前で受けたエウレルから右に抜けたフェルナンドにパスがつながり、ドリブルからのシュートを決めて鹿島先制。11分にはDF裏に抜けたエウレルにロングパス、そこにヴァンズアムがPAを飛び出して止めようとするが一瞬エウレルの足が早く、ヴァンズアムが思わず手で止めてしまい当然一発退場。ルーキー高原が交代で入るものの、そのFKに対するポジショニングが悪くて低く巻いてくるFKを止められずに2点差。その3分後にはCKから大岩にフリーでヘディングを決められあっという間に鹿島に3点が入ってしまう。
ロスタイムにはショートコーナーからファーサイドの秋田がフリーでヘッドで折り返し、ゴール前にいた大岩はオーバーヘッドを空振りするが裏にいた柳沢がボレーでゴール上に決まって、易しいシュートほど外すのに難しいシュートを入れるという柳沢らしいプレイで締めくくって前半終了。
後半になるとハーフタイムに喝が入ったのかジュビロのプレイが生き生きとし始める。前半ほとんど動きが無かった前線が活発になり、中盤とのつながりが良くなってチャンスを作り始める。そして5分にはワンツーからゴール右にドリブルで抜け出した前田がフェルナンドの先制点と同じようなゴールでまず1点。さらに2分後に右サイドをドリブルで前進してきた福西を大岩が足をかけてしまってPKで試合は分からなくなる。
しかし、ジュビロも10人では勢いも長く続かず、26分に左サイド小笠原のFKをエウレルがうまく合わせて5点目が入り、試合を完全に決定付けてしまった。
ジュビロは休み明けに加えてスタジアムの雰囲気と中山のキャプテンシーの欠如、そして機能しない前線によって、集中力が欠けたままのうちにセットプレイを中心に3点取られてしまったのが惜しまれる。しかし、それ以上にこの試合に燃えた鹿島の意欲と執念がジュビロを圧倒した試合だったと言える。

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