J2第20節 福岡-札幌(0-0)

本来期待された順位からかなり落ちた状態で夏場を迎えた両チームの対戦。
両チームともに高いラインを引いた現代的な4バックなのだが、福岡はベンチーニョのポストから中盤でワンタッチでパスを回し、最後はアレックス、宮本の両SBが上がってクロスを上げるといった、かなりシステマティックな組み立てで攻めるタイプであり、札幌は移籍してきたアンドラジーニャやホベルチ、ビタウの外国人選手がボールを持ってリズムを作るサッカーである。
序盤こそ札幌のサイド攻撃が活発だったものの、徐々に和波、岡田の両SBの出番が無くなり、福岡がアレックスの上がりを中心に主導権を握っていく。しかし、クロスが中に合わなかったりシュートにもう一つ精度が欠けていたりでなかなか得点できない。札幌もカウンターのチャンスはあるのだが頼みのアンドラジーニャにいい形でボールが渡らないなど、サイドからの攻め合いが多い割に決定的なチャンスに至らない。
それは後半以降も続き、特に70分以降からは中盤が空いて互いにゴール前に行く回数は増えるのだが、その分ラストパスの精度も落ちてしまってまさにグダグダサッカーの様相を呈してくる。
最後は福岡が完全にセカンドボールを支配するものの増川のつまらないトラップミスなどで札幌を鳥かごにしきれないままに試合終了。
組織的な守備と組み立ての狙いまでは出来ているものの、最後の部分の精度と呼吸があってないといった両チームとも同じ病が見て取れる一戦であった。しばらくは辛抱が必要だろう。