コンフェデレーションズ・カップ展望

コンフェデに向けての日本代表が発表になったが、アテネ組が外れたのは少々意外でもあり、やっぱりそうなんだなと言う両方の感想を持った。
と言うのも、鈴木はポストプレイ役、高原はどちらかと言うとワンタッチゴーラーであり、対する大久保や石川は俊足ドリブラーであるわけで、それで後者を切ったという事はジーコがあくまでもフッチボル・アレグリ、ポゼッションサッカーを目指すと言う意思を見せた事になるからである。
しかし振り返ってみれば、日本がボールを支配した場面と言うのは、相手が引きまくったウルグアイ戦やジャマイカ戦の前半のみであって、間延びした中盤のスタミナが切れてしまう試合後半はほとんどが守って守ってカウンターの戦いをしてきているのである。
選手や首脳陣は一様に「押し上げが足りない」と改善の必要性を強調していたが、私は逆に戦術的にコンパクトにしにくいジーコメソッドにこだわるならば、もしかすると日本は純粋カウンターチームとして完成させた方が良いのではないかという考えを持った。
例えばこういうフォーメーションである。

          大久保
              中田
      三都主        石川
          福西  稲本
      中田コ        山田
          森岡  秋田

コンセプトは中田ペルージャ。4バックはとにかく固く守って中田コや森岡のフィードを中田がキープ、そこから稲本がサイドやDFの裏に展開し、突破からのシュート、こぼれ球を中田が飛び込む。ひたすらそれだけ。決してボールは支配しない。
どんな強豪であってもカウンターに強いチームと言うのはまず無いわけで、最後は名良橋が上がってミスから失点してしまったが、韓国戦後半のように徹底的に守るというタスクさえ遂行できれば、アジア限定の戦術になってしまう可能性が高いがそれはそれで面白いのではないかと思っていた。しかし発表メンバーは・・・
ともかくこれで、コンフェデで勝つにはあくまでボールを支配して分厚い中盤のフォローで点を取ると言うポゼッションサッカーの方針でジーコの腹は固まったと言える。欧州組が入ったことで韓国戦からチーム状況が劇的に改善して、最低限の課題である決勝トーナメント進出が出来るのかどうか。
各国のメンバーも徐々に発表になってきているようだが、フランスなども若手をかなり起用して来ているだけに、現時点での最強メンバーである日本がぶざまに負ける事は許されない。それだけに内容も結果も両方問われる大会だと言えよう。