J2第16節 広島-福岡(3-1)

ここ3節無得点の広島と前節大勝した福岡と調子が好対照同士の試合。
しかし、序盤は広島がワンタッチパスからのサイド突破と言うオートマティズム溢れる攻撃で福岡を完全に圧倒する。7分には左サイドからの服部の突破から中央のサンパイオがダイレクトで、17分にはゴール前での混戦から抜け出した広島の選手を手で倒してしまいPK。これをマルセロが決めて広島が早々に2点リード。
その後も広島がペースを握って試合を優勢に進めるのだが、24分に福岡は右サイドからのベンチーニョがFKを直接決めて望みをつないで後半へ。
後半からは福岡の出足が良くなると同時に広島の中盤の支配力が落ち、DFの押し上げが無くなって福岡が速い攻撃でリズムをつかんでしまう。そして68分にPAすぐ前のFKを壁になっていたマルセロが手に当ててしまって福岡にPK。しかしこれを下田がスーパーセーブで防いでしまう。結果的にこれが試合を決めてしまった。
福岡はその後もひるまずに攻めるのだが、81分に案の定カウンターからマルセロにミドルシュートを決められて終戦。
福岡はとにかく前半に右サイドをあまりにも突破されすぎてしまった。また、ベンチーニョを起点にDFの裏を宮崎らが飛び出すといった攻撃には鋭さがあるものの、それ以外の攻め手に欠けるために広島の運動量が落ちてからやっと試合ができた感じで、まだまだチームとして固まっていないように見えた。
広島については、前半は長短の正確なパス回しからこの日のMVPと言える左の服部、右の駒野を使ったどこかの代表とは大違いのアレグリなサッカーでJ2では格の違いを見せ、これは本当に強いなと思ったのだが、後半に個々人のプレスが効かなくなって来た時にかなり危ない場面を作ってしまい、PKを止めていなければどうなっていたか分からなかった。これからは、このようなリズムの悪い時にどれだけ我慢する事が出来るようになるかが課題だろう。