CL決勝展望

つまらん野暮な展望などせずに黙って試合を楽しみたいところだが、やっぱり脳内に沸いてきたものは貧乏性としては書かざるを得ない(笑)。
おそらく世間ではレアルを破って勢いに乗るユーベが優勢と見られているのだろうが、個人的にはほぼ互角と見ている。それはもちろんユーベの前方のダイナモであるネドベドの欠場の影響もあるのだろうが、ポイントはユーベの守備の弱点をミランが突けるかどうかだと思う。
ユーベは守備が強いと言うイメージがあるが、今期のCLでのデータでは二次リーグに入ってから無失点に押さえた試合はたったの1試合だけである。確かにダービッツを中心とした中盤守備と最後の砦ブッフォンは強力だが、テュラムやザンブロッタがプレスを高い位置で仕掛けるので、そこを突破された時にはCBがかなり危険にさらされてしまう。しかもモンテーロやユリアーノ、フェッラーラの面子はそれほどスピードがあるタイプではない。実際、レアルとの準決勝でもジダンやロナウドにサイドを振り切られて失点やPKにつながる場面を作ってしまっている。
ミランのFWはおそらくスピード自慢のシェフチェンコと裏取り命のインザーギだろう。スピードという点ではロナウドとラウル以上に厄介な相手である。ミランとしては、好調のネスタとマルディーニでトレゼゲとデルピエロを押さえ込み、ユーベのサイドが上がって前がかりになった裏をシェフチェンコに飛び出させ、そこからインザーギの一瞬の切れに期待したいところだ。
どちらにしても、最初の得点が入るまでは互いに相手のミスを待つイタリアらしいじりじりとした神経戦が展開されるのは間違いない。その一方、両方とも強力な攻撃モードを持つチームでもあり、得点が入りだすと一気に壮絶な打ち合いが展開される可能性もある。
何にせよ、世界最高峰の戦いにふさわしい試合を期待したい。