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J2第10節 新潟-水戸(2-2)

現在好調の水戸とビッグスワン今季初ゲームと言う事で燃える新潟との注目される試合。
しかし予想外な事に、前半10分と18分に水戸が2点を叩き込んでしまう。前半はそれ以外にも水戸の方に数多くのビッグチャンスがあった。新潟は前半ロスタイムにマルクスのFKで何とか1点返したのが精一杯。
その新潟の組織だが、昼に観戦したJEFと比べると、残念ながら桁違いに完成度が違うと言わざるを得ない。おそらく反町監督はサイドからの速い攻撃とゾーンディフェンスという高い理想を掲げているのだと思うが、それが実効性を伴っていない。
攻撃ではボランチからただ前に走るサイドへフィードを出すだけで、「中>外」という動きだけになっている。これがJEFだとまずサイドのスペースに人が走り、そこで受けたボールをフォローに走ってきた中盤に渡し、またそこから薄い反対サイドへと「外>中>外>中」とスペースに入ってくる人にどんどんボールが渡ると言うオートマティズムが徹底されている。しかし、新潟はボランチは外にフィードしたらそこで仕事終わりで歩いている。だからなかなか二次攻撃が出来ない。
守備では皆ポジションを守る事で精一杯で、FWが引いてボールを受けるような動きや、サイドに流れて受ける動きを全く捕まえきれていない。つまり、ゾーンからマンマークに移行するタイミングが把握できていないのである。1点目の失点などその最たるもので、サイドからPA内に進入するドリブルに対していきなり3人同時にアタックに行ってしまい、裏に走りこむ選手をどフリーにさせてしまった。JEFの場合は日本人選手の個人戦術眼などはなから無視して(笑)、徹底的に危ない選手はマークしきってしまう。結局、それが徹底できればよほど個の能力で負けない限り勝てるのだ。
水戸は、最後こそ疲れて新潟に同点に追いつかれてしまったが、選手の力量的にカウンター指向のサッカーになってしまっているが、思想としてはJEFと同じ、「シンプルに、忠実に」である。
私達も戦術だ組織だとついつい理論の話だけを切り離してしまいがちになるが、そんな高度な戦術も、それを実行するのはあくまで選手なのである。自分のチームにいる選手に合った戦術を選択し、それを完遂できるだけのトレーニングを行う。その当たり前の事の大事さを改めて考えさせられる今日の2試合であった。

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