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CL準々決勝 アヤックス-ACミラン(0-0)

無得点のドローと結果だけ見れば退屈な試合に見えるのだが、両チームのサッカー文化の違いを感じるという点では非常に面白い戦いだった。
ミランは4-4-2の中盤にセードルフ、ガットゥーゾ、アンブロジーニの肉体派を揃えてかなり守備的な布陣。対するアヤックスはほぼいつも通りの4-5-1。
試合は20分ぐらいまではミランが高い位置でボールをキープするポゼッションサッカーでアヤックスを押し込むのだが、それからは落ち着きを取り戻したアヤックスが正確なトラップとサイドへの速いパス回しで起点を作り始め、あとはほぼミランは防戦一方。FWのピッポとシェフチェンコも守備までやらされているせいか動きにキレが無く、ミランは全く攻撃を組み立てられない。
しかし、ミランもただ無秩序に守っているのではなくて、4バックと中盤の間が5mは無いかと思うぐらいにバイタルエリア(DFラインの前のスペース)を殺し、さらにボールサイドにも圧縮する事によってダブルマークに行くタイミングを早くし、アヤックスのダイナミズムを殺してしまう。全くもってドイツとは正反対である。たまに最終ラインで1対1に持ち込まれても、マルディーニとネスタが見事な読みでピンチを摘み取ってしまう。前半のアヤックスはただ攻めされられているだけだったと言える。
後半になってもアヤックスペースは変わらない。しかし、セードルフが負傷でセルジーニョに変わって守備能力が落ちたことや、やや中盤守備の運動量が落ちてきた事もあって、薄い反対サイドに速いパスを通されてピーナールなどが一瞬フリーになるのだが、ミランのDFがコースに素早く入るので苦し紛れのシュートになってしまったりとアヤックスも決めきれない。
70分ごろからはアヤックスも攻め疲れが見え始め、ミランもリバウドやトマソンを投入してやや反撃するも、無理に攻める事まではせずに試合終了。ミランの組織だった堅い守備は見事だったし、その反撃を許さないパス回しを見せたアヤックスも見事だった試合と言える。

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