ユーロ2004予選 イタリア-フィンランド(2-0)

かなり熱狂的なパレルモの満員の観衆の中で行われた試合。フィンランドは開始からアウェーにもかからわず積極的にラインを押し上げて攻めに出る。
その最初の波をやりすごしてすぐにイタリアの速い攻撃が爆発する。5分にブッフォンのフィードからビエリのポストを拾ったトッティが見事なドリブルで相手守備を切り裂き、デルベッキオとのワンツーから短いクロス、それを余裕でビエリが押し込んで先制。
それからは、前線にデルベッキオを左、カモラネージを右、中は縦にビエリとトッティを並べてやや左上がりの4-2-3-1にしてきたイタリアが高い位置からのプレスで試合を支配しチャンスを量産し始める。フィンランドもカウンターを仕掛けるがイタリアの戻りが早くて決定的なチャンスを作れない。たまに押し上げる場面があっても、それを利用したイタリアの確実で速いクロスカウンターをくらってしまう始末。
そして23分にはフィンランドのセットプレイからイタリアがボールを拾い、トッティの彼ならではの見事なワンタッチのアウトサイドパスがDFの間を抜けたビエリに渡り、GKとの1対1を落ち着いたループで決めて2点目。これぞイタリア!という見事なカウンターだった。
後半はフィンランドも速く大きなパス回しで何とかイタリアの4バックを揺さぶろうと工夫して攻めはじめる。しかしなかなかネスタとカンナバーロの壁を崩す事が出来ない。そしてイタリアは後半25分からデルベッキオを下げてビリンデッリを入れて4-4-2にして店じまいをし始める余裕の展開。あとはフィンランドの攻撃を受け流しつつ終了。まあイタリアの完勝と言える試合だった。
イタリアはとにかくトッティが冴え渡っていて、フィンランドはトッティ1人のアイデアにきりきり舞いさせられていた。そしてその発想を感じているビエリ、トッティをサポートする縦のポジションチェンジを多用したパス回しも素晴らしい。従来の間延びしたカウンター一辺倒のみじゃなくて、高いラインからコレクティブな崩しが出来るようになってきたのは脅威だが、フランスのジダンのように完全な王様となったトッティが欠場した時や調子を落とした時にこの強さが維持できるかどうかが本大会の行方を左右するだろう。