カタール国際ユース カタール-日本(2-2)

カタールはかなりアフリカ系の選手が多く、豊富な運動量と粘り強い1対1で、ドリブルやカウンターからスピードに乗って攻めてくるチーム。日本は全体的に動きが悪く、ほとんどサイドを使えずに真ん中真ん中と無理で安易なパスをカットされて逆襲をくらうばかり。FWは矢野と西野の2トップだったのだが、サイドが生きない状態では電柱が2本ただ立っているようなもので、ほとんど攻め手が見つからない。
カタールペースでゲームが進んでいた25分、右サイドの三田が1対1で軽い守備で抜かれてしまい、サイドの深いところからのクロスをミシャール・アブドゥラにヘディングを決められてしまう。39分に相手ゴール前でのバックパスからダイレクトで出した中里のミスパスをカットされてそこから1発のパスで裏を取られ、GK林が飛び出したところを交わされて2失点目。今日の判断の安易さを象徴するようなシーンだった。そして日本には全く見るところ無く前半終了。
後半は逆に日本もサイドを始め、FWがボールをキープしているところをどんどん他の選手が追い越して行くような動きが見られるようになり、カタールの運動量が落ちた事もあって日本が押し込み始める。そして60分に中盤の右で奪ったボールを、西野と交代で入った原がうまくニアサイドに走りこんで、そこに出された浮き球をダイレクトで蹴ったシュートがカタールGKのキャッチミスを誘ってようやく1点を返す。
そこからカタールはいろいろと時間稼ぎを狙ってきたが、日本も前田からサイドを上がった杉本のアーリークロス気味のボールを原がうまくヘッドでコースに流し込んで同点。これは原が上手かった。そこからはお互いに攻めあうも、疲れからか最後の詰めに精度を欠いて引き分け。
ドイツ戦の激闘の後のモチベーションの維持も難しい試合で2点差を追いついた事は評価できるが、状態が悪いときは悪いなりのリスクを避ける戦いが出来ていないのは、経験が無いからとは言え、やはりA代表予備軍としては物足らない感じは否めない試合であった。