パルマ-ユベントス(2-1)

非常にがっかりした。審判が明らかにユベントス寄りで、接触プレイで厳しく取られてナーバスになっていた事は同情する点だが、パルマはあまりにナイーブで無策すぎた。
同じようなセットプレイを2度ともゴール前でフリーでヘディングをさせたのは論外だが、もっと問題なのは攻撃である。
パルマは中盤でボールを奪うという所までは良かったのだが、その後ムトゥとアドリアーノに一発のパスを遅いタイミングで出すだけで、ほどんどが簡単に跳ね返されるかオフサイドで、たまに1対1を挑んでも負けるだけで終わってしまっていた。ユーベがトレゼゲのうまいポストプレイから確実にネドベドにつなげていたチームプレイを見せていたのに比べ、パルマの2トップはただバラバラにあがいていただけだった。
中盤をカモラネージやダービッツに制圧されてFWへのフォローが厳しい面はあったが、それだけに一層エゴに走らず、レッジーナのようにチームで工夫した戦いを見せなければ勝てないのに、現実は全くの逆である。3トップはそれぞれが有機的にからまって攻撃を見せてこそそう呼べるのであって、このパルマは1トップ×2+1つなぎ役である。いくらユーベの守備が強固だからとは言え、これでは何度やっても永遠に勝てないだろう。
中田はそんな中でもいつものように黙々と仕事をしていた。かなり左サイドのケアに追われてはいたが、それでもボールを奪ったら前に出て何とかしようという意識があった。しかし、いつまでもエゴ2トップのお守りでサイドをひたすら走らされているのも気の毒になってきた。彼に個人技だけでビッグクラブに対抗できる能力は残念ながら無いので、この役割に留まる限りは価値のアップは望めない。
もう、いい加減中田の頭を生かした攻撃が出来るチームに移るべき時だろう。理想を言えば、攻守の切り替えが早く、カウンター時にはそれぞれが自由にポジションチェンジをし、スペースへのパスが大好きな快速FWがいるところ。そう、あの赤いチームの事だ。