バイエルンミュンヘン-ハンブルガーSV(1-1)

まるでこのすぐ前のインテル-レッジーナ戦をもう一度見ているような錯覚にとらわれるような試合であった。もちろん違ったのは結果なわけだが。
バイエルンはインテルに輪をかけて能力の高い選手がきっちり守ってカウンターから個人能力で突破するチーム。HSVはいつもより慎重に守ってはいたのだが、1対1で簡単に負けてサイドから中央からと次々に守備網を破られてしまう。にもかからわずGKのスーパーセーブ連発と運の良さで1失点に留めた事が、高原の最後の同点弾につながった。そこが確実に点を稼いでいったインテルと違うところだった。つくづくサッカーというスポーツはチャンスをものに出来ないと必ずしっぺ返しをくらうのだという事を思い知らされる。
HSVは堅いバイエルンの守備の前に90分間ほとんど何の抵抗も出来なかった。攻撃の頼みのバルバレスは足元を狙われてポストも満足に出来ず、カルドーソは全く存在感無しで途中交代、マハダビキアはリザラズとのちびっこ対決で完敗で、HSVに勝つチャンスは微塵も無かったように見えた。それがマハダビキアが1対1で勝った唯一と言ってもいい機会に得点するのだからサッカーは分からない。
高原は、戦術的な指示だろうが後半途中までまるで左の中田のように守備のカバーとチャンスメイクに専念していて、これは得点は厳しいかなと思っていたのだが、後半メイエルが入って2トップになってからは、彼の周りを自由に動けるようになって得点を取れる場所に居れるようになった事が大きかった。
しかし90分間全体を見れば、動き出しやポストプレイは良かったものの、DFのマークにバランスを崩されてシュートまで持っていけない場面やファーストタッチのミスが目立ち、まだまだスタメン確実とは言えないように思える。厳しい言い方をすれば、この1点でHSV日本担当営業マンじゃ無くなり、やっとFWとしての値段がついた程度というところだろう。一発屋で終わらないためにも、本人は自分の力が通用しなかった90分間をしっかり反省かつ分析し、この先普通の試合で普通にゴールできるようにならなければ。
まあ文句はいろいろ書いたが、日本人としてはこの結果は素直に喜びたい。いやあカーンの強がりコメントが心地よい(笑)。