「日本を舐める、開始3分でPK&一発レッド、戦術と選手交代のミスと幸運の三重奏」ロシア・ワールドカップ グループH 日本-コロンビア

昨日は仕事が長引いてキックオフに間に合わず、帰宅途中でTwitterを見たら何か日本に得点が入ってコロンビアが10人になっていたので何が起こったのかと思ったよ(笑)。

そのシーンだが、日本は香川のワンタッチパスに大迫が抜け出し、シュートはGKに阻まれたが詰めた香川がシュート、これをDFサンチェスが思わず腕に当ててしまい一発レッドで退場&PK、キッカーの香川は冷静にGKの動きを読んで日本がこれ以上無いプレゼントをもらって先制するというものだった。これが全ての運命を決めたと言って良い。

日本の先発は大迫の1トップに2列目が乾、香川、原口、ボランチが柴崎と長谷部、DFが長友、昌子、吉田、酒井宏樹とだいたい予想通りにパラグアイ戦の攻撃陣と、それまでの守備陣のハイブリッド。対するコロンビアはハメス・ロドリゲスがサブで、キンテロがトップ下に入った4-2-3-1。ここでコロンビアが4年前のコートジボワールのように、クアドラードを残して3バックに変え、日本の4-4ゾーンに対してミスマッチを起こし、サイドで基点を作っていれば流れは変わったと思う。

その後は、日本は守備時にコンパクトな4-4-2の3ラインでゾーンを組み、時々サイドを破られFKからファルカオに合わされるピンチはあったが、プレスバックを惜しまない運動量と粘り強さで攻撃をしのぎ、上手く時間を使って行く。

しかし日本は急造チーム故か攻撃の形が無く、徐々に攻撃陣の足が止まってパスの出しどころが無くなり、足元への縦パスや単調なサイドチェンジがミスになってリズムが崩れていく。そして長友のクリアミスから長谷部がファルカオと競り合ってファールを取られ、キンテロに壁の下を抜かれるFKを決められ同点に追いつかれる。

その後に、日本は前線に動きがないのに昌子が攻め上がって無理やり中を攻めたり、狭いサイドで足元キープしようとして攻守のバランスが崩れかけていたが、何とか耐えきってハーフタイムに持ち込んだ事が大きかった。

後半になると先にコロンビアの足が止まってセカンドボールを日本に支配され始め、大迫のターンからのシュート、乾の巻いたシュートなど日本にチャンスが生まれる。ここで得点を挙げたキンテロに変わってハメス・ロドリゲスを投入、これはドログバ・パニックの再来かと身構えたが、現実は逆だった。

ハメスが輝いたのは最初のワンプレーのみ、その後は完全に消えて攻撃に出た後もほどんど守備に戻らないので、日本はそのスペースを使ってラクラクと攻撃を組み立て、長谷部も柴崎もボールを自由に持てる状態。コロンビアの攻撃はサイドを使わず、ファルカオとハメスへの縦パスのみなので吉田と長友が余裕でチェック、日本の守備が混乱する事もない。

後半24分に香川に代えて本田を投入、やっぱり本田はサイドに寄りまくってポジションバランスを考えないプレイをし、後半27分に大迫のヘディングシュートに繋がるCKは蹴ったものの、その後に柴崎が傷んだ時にはまさかのバックパスミスで日本を窮地に陥れる始末。

西部氏はドン引きが出来ない日本を危惧していたけど、日本には2列目のプレスバックという必殺技があった(本田以外)。原口と乾は攻撃面では目立った働きが出来なかったけど、最後まで足を止めず守備に戻っていたし、大迫もゴール前で体を張るなど最後まで全員が守備への集中力を切らさなかった。

まあ間違いなくコロンビアが勝手に自滅したボーナスゲームで、ハメス・ロドリゲス以外の選手も走れておらず、コンディショニングを失敗したように見受けられる。そして戦術面でも日本を研究したような成果が見えず、前回のW杯で大勝した事や親善試合の内容などで、さすがのペケルマンも油断したのかもしれない。パラグアイ戦で自分たちのサッカーとは決別した日本は、4年前の姿とは別チームに見えた事だろう。

ただ日本も勝利をしたとは言え、大迫や原口、乾が体力の限界まで走っている事、長谷部や香川、本田、岡崎といったベテランが期待に応えられてない事、この試合で全てのゲームメイクを司っていた柴崎、そして大島が怪我である事を考えたら全く楽観視は出来ない。本田や宇佐美よりも、めちゃくちゃ走れる中島を入れておくべきだったのだが・・・ともかくこの試合の事はすぐに忘れて、セネガル戦に向けベストなコンディションで迎える準備をする事に集中するべきだろう。