「再び降格圏が目前に」イングランド・プレミアリーグ サウサンプトン-サンダーランド

前節はレディングとの6ポイントマッチに勝利し、ようやく降格圏から脱出したと思ったサウサンプトンだったが、今度はサンダーランドとの6ポイントマッチをホームで落としてしまい、あっという間に貯金ゼロの元通りになってしまった。
最も痛かった点は、左ウイングのポジションでサウサンプトンの攻撃を牽引していたララーナが怪我で欠場してしまった事。代わりに、マユカという選手が初先発で同じポジションに入ったのだが、当然ながら機能するはずもなく、一度DFラインの裏へとドフリーで走り込めた場面があったのだが、シュートかパスか決められないうちに防がれてしまった。これなら、李を使ったほうが良かったのではないかと思った。
それでも、一応サウサンプトンは序盤から積極的に前線が前に出るサッカーを見せようとはしていたのだが、前線のコンビネーションが崩れているのと、強い雨でピッチがスリッピーなためにボールコントロールのミスを連発。その後はすっかり足元、足元へと安全なパス回しに終始してしまい、攻撃のダイナミズムがすっかり失われてしまった。
こうなると、セセニョンやフレッチャーという個の能力を持った前線がいるサンダーランドのほうが有利で、雨で不正確になるパスよりもドリブルを中心とした個人による突破でチャンスを作り出し、試合のペースをがっちり掴んでいた。後半25分を過ぎてから、ようやくサウサンプトンの尻に火がついて、ゴール前での肉弾戦からチャンスを作ったものの最後まで得点は決まらずに痛い敗戦を喫してしまった。
ただ、ララーナがいないから仕方無いとはサウサンプトンも言ってられない。ランバートにロングボールを放り込む戦術でいったんは成績が浮上したものの、攻撃は最大の防御なプレミアでも相手は研究して来ており、そう簡単にセカンドボールを拾えなくなってきた。ラミレスもロングボール戦術になった事でますます存在感が薄くなり、パンチョンもまだ調子に波があるので信頼感のある選手がいないのは厳しい。そこは冬の補強に期待したいところだが・・・
吉田については、ハイボールもカバーも安定していて合格点な出来。ではあるが、失点場面は吉田の軽率なパスミスの流れから始まっており、彼に直接の責任は無いとはいえ、いつものやらかしグセが出てしまった事は反省点。吉田がDFラインをリードしたおかげでサウサンプトンの守備が安定したと思っているが、まだ日本人選手に対する評判がないせいか、外野からはいろいろ雑音があるようなので頑張って欲しいね。