「先攻と後攻」ドイツ・ブンデスリーガ第13節 シャルケ04-フランクフルト

昨日の深夜に、両チーム共に14節の試合が行われて敗戦を喫しているようだが、その前に行われた13節でのシャルケホームの対戦について。
一応、順位的には3位と4位の上位対決だったわけだが、前半のシャルケには明らかにCLで戦った過密日程の影響が出ていて、どっちが昇格チームかわからないような内容だった。ところが、後半は完全にシャルケのほうに流れが傾き、フランクフルトはほぼ防戦一方になってしまったのだが、結局フンテラールがチャンスをフイにしてしまって1-1での痛み分けドローという結果になった。
試合の前半と後半でちょうど裏表の出来になってしまった理由の1つは、フランクフルトにおける乾のポジショニングにあったのではないかと思う。
前半のシャルケは、DFラインがなかなか上げられずにバイタルエリアが開きがちになり、フランクフルトが十分に中盤で溜めを作ってからサイドの乾にボールが渡る事が多く、そこから得意のグラウンダーでのスルーパスで少なくとも2回は決定機を作ったり、カットインからのドリブルでPA内に侵入する(倒されたがPKにはならず)など、攻撃面で非常に存在感を出せていた。
今までの乾は、サイドに張ったまま突っ立っているか、ボールをもらってもカットインからのシュートを狙うばかりで、それゆえに研究され易かったところはあったように思うが、ここに来てゲームメイク能力が向上して来て、またチーム内での信頼が集まりつつ有るように見える。ただ、相変わらずイージーなミスをしてしまうところは要修正点だが・・・
逆に同サイドで乾と対峙する形になっていた内田は、ファルファンのプレイに切れがない上に、サイドでファルファンがボールを持った時に、乾も忠実に守備で戻っていて2対2の状況を作られていたため、ファルファンが貯めて内田がオーバーラップする得意のサイド攻撃を繰り出す事が出来なかった。
しかし後半になると、フランクフルトがガス欠になったのもあってかシャルケがほぼ中盤を支配するようになり、乾はたまのカウンターでしか前線に上がれず守備で押し込まれたままになり、今度は内田が大活躍・・・とはさすがに怪我明けなので難しかったが、正確な縦パスでのゲームメイクでチームに貢献していた。
前後半でちょうど逆になった形ではあるが、互いに疲労の影響がモロに出てしまった試合だったので、彼らが昨日の試合で敗戦を喫してしまったのは仕方ないところだろうか。これからウインターブレイクまでは過密日程が続くので辛抱のしどころである。