「完全に生まれ変わったシャルケ」ドイツ・ブンデスリーガ第1節 ハノーファー96-シャルケ04

文字通りチームの大黒柱であったラウルが抜けてしまい、シャルケはどうやってチームを立て直そうとしているのか興味があったのだが、まさかここまで戦い方を大きく変えてくるとは思わなかった。
昨シーズンのシャルケは、内田が低い位置からビルドアップし、攻撃面でのクラックはファルファンやフクスによるサイド攻撃が担い、そこを中でフンテラールやラウルが決めるという、どちらかと言うと個人能力を活かした形のチームだった。
ところが今シーズンのシャルケでは、フォーメーション的には4-1-3-2だが、ビルドアップのほとんどを中盤の底に位置するノイシュテッターが行い、フンテラールが動いたスペースに前の3人が自由に動くようなイメージで、そこをジョーンズとドラクスラーがサポートし、フクスと内田が分厚くサイドをサポートするというように、個人よりも組織としてまとまったチームになっており、以前とは全く逆のチームカラーになっていたのだ。
内田も、以前であれば低い位置にいてビルドアップに専念し、たまにファルファンへボールを預けてはオーバーラップするというプレイが多かったのだが、今は最初から高い位置取りでスタートし、積極的に攻撃参加しつつ守備では早いタイミングで中盤から潰しにかかるという、まるで長友のようなプレイスタイルに変貌し、それを着実にこなしているのにも驚かされた。
ただ、まだチームとして試合全体をコントロールするというところまで行かず、前半はかなりの時間帯で試合を支配しながらも得点できず、後半にペースが落ちてハノーファーに押され始めたところでカウンターから逆転するなど、中身と結果が連結していない試合になってしまった。
とは言え、十分ラウル抜きで戦えるチームになりつつあるのは確かなので、このまま調子と連携を上げていってチャンピオンズリーグでどういう試合を見せてくれるのか、非常に楽しみである。
あと、酒井がベンチ外だったハノーファーだが、酒井のポジションである右SBはアメリカ代表のチェルンドロという選手で、ぶっちゃけ贔屓目を抜きにしてもほとんど攻撃らしい攻撃をせず、守備の仕事だけしていた様子なので今後出場のチャンスは十分にあると思う。ただ、彼はチームのゲームキャプテンなので、少ないチャンスを確実にものにする必要はありそうだが・・・