「二重の意味でメキシコ超えならず」ロンドン五輪男子 準決勝 日本-メキシコ

日本が銅メダルを取ったのは、五輪メキシコ大会の3位決定戦で開催国のメキシコを破ってのものだった。それを考えると、日本は二重の意味でメキシコ超えを果たせなかったという事になるのかもしれない。
昨日のなでしこでいい加減睡眠不足が溜まってしまい、この試合はさすがに生で見る事ができず、翌朝早送り気味で見たために雑感だけになってしまうが、一言で言えばメキシコのほうが一枚上手だったのかなと。
日本は立ち上がりは今までのような良いプレッシャーをかけて、大津がゴラッソなミドルで先制したところまでは良かったが、エジプト戦でもそうだったように関塚ジャパンはペースを落として試合をコントロールする事が上手くなく、相手がショートカウンターを警戒して引き気味だったのもあって、プレスの開始位置や連動の認識がバラバラになり、1対1でいなされて交わされてつながれ、結果的に走らされる対応を強いられてしまった。
もともと、選手個々のキープ力や判断力に難があったのを、運動量とプレスでカバーしていたチームだったたけに、その強みが落ちたところで一気に中盤のミスが増え、リードを許してメキシコがきっちり自陣に守備ブロックを固めてからはほとんどまともに攻める事ができなくなってしまった。
以前にTwitterではつぶやいていた事だが、関塚ジャパンは北京の時と同じように、サッカーのスタイル作りを何とかギリギリで間に合わせたチームだっただけに、プレス&ショートカウンター以外に攻める術を持たず、リードされた後の攻撃に対する意思統一が無く、宇佐美や齋藤という前を向いて勝負が出来る選手を最後まで効果的に使えなかった。
そういう意味では、今まで試合展開や戦術永井の奇襲がうまくハマって覆い隠されたいた関塚ジャパンの弱点が一気にあらわになってしまった試合だったと言える。
いろいろと悔いが残る敗戦ではあったが、まだ銅メダルがかかった3位決定戦が残っている。そして相手はブラジルに3-0で敗れた韓国に決まった。韓国は反日ドーピングに加え、銅メダルを取ったら兵役免除という巨大なモチベーションがあるだけに、相当厳しい試合が予想される。日本の選手には敗戦のショックに加え、カーディフへの移動の負担ものしかかって来るが、ここで結果を出せたら単なるメダル以上の財産になるはず。何とか気持ちを切り替えてネジを巻き直して欲しい。