「オランダも悩みは同じ」国際親善試合 オランダ-スロバキア

ユーロを前に、ロッテルダムのデカイプスタジアムで行われた親善試合だったが、試合開始早々にアフェライからのクロスをサラータがオウンゴールして幸先良いスタートになったものの、その後はかなりオランダとしては低調な内容だった。
オランダの前線は、ファン・ペルシの1トップに、左からアフェライ、スナイデル、ロッベンという並びで、試合の序盤は大きなサイドチェンジからウイングが個人勝負を仕掛けて良い形を作ったのだが、スロバキアがそれに慣れ始めるととたんに攻撃が停滞してしまった。
スロバキアは定石通り4-1-4-1の形でバイタルエリアを重点的にケアするコンパクトな守備でオランダのポゼッションに対抗したのだが、それを嫌ったスナイデルが左右や後ろに流れてボールを触る場面が多くなり、ファン・ペルシも真ん中でボールを収めるタイプではないので、サイドからクロスを上げたくても中央には誰も居ない様な場面が多く、仕方なくスローダウンしてはスロバキアの守備に引っかかるというパターンの繰り返しになっていた。
ボールポゼッションこそオランダが圧倒していたが、全員が高い位置にいる分スロバキアにもカウンターのチャンスが多く、GKとの1対1があったり、クロスが危うくゴールに直接入り込みそうになったりと、決定的なチャンスの数ではほぼ互角の形で後半まで推移する。
しかし68分に、オランダは先発から外れていたフンテラールをファン・ペルシに代えて投入すると、相手にマークされてもしっかりボールを受けられるフンテラールのところで基点が出来、スナイデルとは違って密集にも入り込めるファン・デル・ファールトがそこに良く絡んでスロバキアPAの中までボールを運べるようになり、オランダに決定的なチャンスが増え始める。
そして75分に、フンテラールが相手と競りながら巧みにボールをキープすると、パスを受けたファン・デル・ファールトが右サイドからシュートを決め、後は危なげなく逃げ切って2-0でオランダが勝利した。
が、その前のブルガリア戦で足を痛めたマタイセンに続き、この試合でもバウマが脳震盪っぽい症状で前半で退き、スナイデルも負傷で交代するなどオランダには怪我人が続出。スタメンの機能不全ぶりといい、まだまだユーロ本大会に向けて視界良好とはいかない様子である。