「守備は監督の仕事なんだけど・・・」トゥーロン国際大会グループA 日本-エジプト

そりゃ3試合で7点も入れられてたら、グループリーグ突破なんて夢のまた夢ですがな(苦笑)。
このトゥーロン国際で散々叩かれていた五輪代表の守備陣は、この試合でもやっぱり大崩壊を喫してしまい、マークに行っているのに寄せが甘くて簡単にクロスを上げさせてしまう、中は人数が足りているのにボールウォッチャーになってしまって人に付き切れていないという問題の繰り返し。
特にエジプトの2点目なんかは、サイドのカバーに行った山村の寄せが遅くて弱く、鈴木は目測を誤ったのか当てられるボールをスルー、クロスの軌道的には十分GK安藤が飛び出せたはずなのに待つだけの状態、安藤はその後も守備範囲の狭さが目立つなど、とにかく個人単位での脆弱さが目についてしまった。
それならそれで、しっかり前方からプレスをかけられればいいんだけど、指宿と宇佐美は普段そういう仕事をしていないせいかプレスをかけたりかけなかったりで持続性に欠け、そのためDFラインは引き気味で受けに回らざるを得なくなり、高い位置取りをしたがる酒井高徳の裏を突かれるという悪循環。ここまで大活躍の齋藤は疲れもあってかサイドのカバーをするだけで精一杯。
後半から指宿に代わって大津が入り、前線で幅広く動いて基点を作れるようになってからは、酒井のオーバーラップや齋藤が前を向いてドリブルを仕掛ける場面が増えてくるようになったが、せっかくの数的優位の状況も雑なチャンスメイクと中盤のフォローの薄さで単発に終わり、最後もやっぱりセットプレイから失点して終了。
確かに、個人の見極めや経験の獲得という面では意味があった大会ではあったが、じゃあ本大会に向けて安心できる何かがあったかと問われると激しく疑問が残るのは確かだ。宇佐美を含めた攻撃陣の能力は高いけれども、彼らが自由にポジションを取りながら攻めた後ろで耐えられる守備陣で無い事は明らかで、そこのバランスをどうやって取るのかという答えは今のところ全く見えていない。
関塚監督は、川崎時代にはFW3人に攻撃を任せた攻守分断サッカーで一定の成功を収めた人だけど、間違いなく五輪代表でその考えは通用しない。ザックならその辺のバランスを取るのはお手の物だろうが、五輪の監督は絶対にやらないだろうしね・・・OAで槙野や闘莉王を入れるという話も出て来るだろうけど、火中の栗を拾ってスケープゴートになるだけで終わってしまわないかが心配だよね。