「柏と全北の天国と地獄」ACLグループH 全北現代-柏レイソル

最終戦を迎えた段階でグループ3位、しかもホームの全北に勝たなければほぼ勝ち抜けの可能性が無くなってしまう崖っぷちの柏だったが、ここで見事に勝利を飾り、グループ首位こそ金満広州にその座を奪われたものの、無事グループ突破を決めてみせた。
常々書いてきているように、アジアにおける戦いでは、相手のフィジカルやプレスにビビって横パスやバックパスから適当なクリアを繰り返してしまうと、どんどんセカンドボールを拾われて攻められ、守備陣がその繰り返しでポジションバランスや集中力を欠いて失点というパターンに陥るので、それをいかに回避するかが攻略のポイントになって来る。
その1つが、ガンバのように長短のパスでポゼッションを保持することで、横や後ろだけではなく、時折縦に入れるパスを混ぜて2本ほどダイレクトでつなぐと必ず相手のプレス連動が途切れるので、そこを狙って大きくボールを動かしていくやり方。
もう1つが、相手のプレッシャーから逃げずに全員が立ち向かう事であり、この試合で柏が見せた戦いぶりはまさにそのお手本と言っても良い素晴らしさであった。
全北は、まずイ・ドングクにロングボールを入れてセカンドボールを拾い、素早くサイドに展開してクロスを上げるという典型的な韓国サッカーを繰り出してきたのだが、前半の途中から柏の増嶋と近藤が彼を非常に良く抑えて全北の攻撃の形を崩し、仕方なく全北は途中から中盤をパスで攻めるサッカーに切り替えてきた。
そこを、柏は中盤をコンパクトにしつつ前線の工藤と田中順也が絶え間ないプレスをかけてパスコースを限定させて罠にかけ、そこからレアンドロ・ドミンゲスを経由して酒井らサイドに分厚く展開する攻めが機能し、全北の運動量が先に落ちたこともあって後半はほとんど柏の一方的なペースになった。
しかし、後半4分に韓国のお株を奪うロングボール>セカンドボール>レアンドロ・ドミンゲスのシュートという形で先制点を挙げ、18分にまたもレアンドロ・ドミンゲスのドリブルシュートのこぼれ球を田中という得点を決めた後は、数多くあったチャンスに決められず、逆に31分に近藤がPKを取られ、ここで決められると一気にムードが変わる場面だったが、イ・ドングクがポストに当ててくれたのが柏にとってはラッキーだった。
ちょっと最後が締まり無かったとは言え、以前に比べると柏の選手のコンディションが上がっているようで、この試合でも最後までしっかり走れていた事は心強い。代表やロンドン五輪、そして移籍話で酒井が今後帯同できない可能性は高いが、酒井1人の出来で勝っているわけではないのでそれほど不安に思うことも無いはずだ。
逆にホームであるはずの全北にあまり粘りが無かったのはちょっと意外だった。今年からKリーグはACL優先のスケジュールでは無くなっているという話なので、日程面の問題が出てきているのかもしれないが。
決勝トーナメントは、FC東京が蔚山に負けて2位通過になってしまったので、柏の次は蔚山でのアウェイ戦になった。蔚山は1位通過とは言え、柏のグループにいた全北や広州よりも強いとは思えないので、是非ここはすっきり勝って西アジアと対戦してもらいたいところだ。

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