「風間サッカーが蓋を開けてみれば」J1第9節 川崎フロンターレ-ジュビロ磐田

既にクラブチームでは滅多に無い「風間フロンターレ」という代表監督のような呼称がつくぐらい、そのサッカースタイルが注目されている川崎。
風間監督の初陣は惨敗だったが、このジュビロ戦では4点を取っての勝利ということで、早くも風間スタイルが浸透したのかと思ってこの試合を見てみたのだが、ポゼッション率100%を標榜する川崎に対し、逆に磐田のほうがボールを保持していたのにちょっと驚いてしまった。
むしろ、「現時点での」川崎のサッカーはポゼッションと言うよりはショートカウンターサッカーと言うべきで、ボールを奪うととにかく周りの選手が躊躇なく縦に走り、その間をワンツーなどダイレクトパスを多用して突破する形が徹底されており、川崎の1点目と2点目のPKにつながる場面にそれがよく現れていた。
ただ、守備戦術練習を全くしていないと言う噂通りに、守備は選手が各自の判断で距離を保って守るリトリート形式が主体になっており、そこから攻撃になるとどんどん人が前に出るものだから、攻撃時にミスが出るととたんに守備のバランスがおかしくなって一気に決定機まで持っていかれがちで、この試合でも後半になって運動量が落ちるとジュビロの猛攻を受ける羽目になってしまっていた。
このあたりは攻撃サッカーの宿命でもあるのだが、バルサがやっているように、相手のカウンターについてはCBの2枚とアンカーで基点を潰し、他の選手は守備への切り替えを早くして前からプレスをかけるようにして行かないと今後も厳しいのではないかと思う。
ジュビロについては、川崎よりもシュート数もチャンスも多かったんだけど、あまりに相手の少ない決定機であっさりと決められすぎたね。バックパスミスの3失点目はもちろん、中村憲のロングスルーパスから決められた4点目もGKが飛び出せば防げたシーンだった。2得点の山本や売り出し中の山田ら若手が牽引する攻撃の内容は良いだけに、ちょっともったいない失点が多かったのが惜しまれる。