「圧巻のラウル2発!」ドイツ・ブンデスリーガ第29節 シャルケ04-ハノーファー96

ともにCLやELを目指せる位置にありながらも、ここ数試合は調子を落としているチーム同士の対戦とあって、全体的な内容としてはあまりパッとしない試合ではあった。
試合のスタートはどちらかと言うとハノーファーが先手を取って押しこみ、シャルケはいまいち各選手の意識がまとまらずにバラバラな対応を強いられる展開になったが、その悪い流れを1人で打ち破ったのがラウルの一撃だった。
6分にファルファンが蹴ったFKをラウルがニアで一瞬早く触り、そのボールがここしか無いというコースでハノーファーゴールに飛び込み、セットプレイは高さが云々という「一般常識」をあざ笑うかのような技ありのゴールを決めてしまう。
その後はすっかりシャルケにペースが移り、ハノーファーは攻撃陣と守備陣の間にスペースが出来る事が多く、ラウルやドラクスラーがバイタルに入り込んでパスを繋ぎ、内田もタイミング良くオーバーラップを仕掛けてフリーのラウルにクロスを合わせるなどシャルケの攻撃にリズムを作る。
そして後半にもまたラウルが魅せる。開始4分でファルファンとのワンツーでエリア内に切れ込んだラウルが、利き足の左でシュートフェイントをかけるとGKツィーラーが見事に引っかかり、体勢が崩れたところを右足でちょこんとゴールに流してみせたのだ。いや、まさにラウル劇場である。
18分には、右サイドを駆け上がった内田からファルファンにパスが通り、折り返しをどフリーで待っていたフンテラールが余裕で決めて3点目。これでほぼ勝負有り。あとはハノーファーもほとんど反撃の意思を見せること無くシャルケが3-0で勝利した。
ハノーファーが予想以上に調子を落としていたのは確かだが、それでも決めるべき所で点を決めるラウルはさすがとしか言いようがない。ゴール数だけを見れば香川と並んでいるが、まだまだ香川はラウルの域には達していないというか、エースと呼ばれるためには、チームが苦しい時ほど頼れる存在になって行かないといけないんだなと痛感させられる偉大な存在である。
内田については、守備ではあまり味方のフォローが無くて広いスペースをケアするのに苦労していたし、最後には疲れが見えた様子ではあったが、攻撃ではファルファンとのコンビネーションも良く、前の試合よりかは全体的に充実・集中していたように思う。が、まだまだ絶好調時に比べると出来が物足りないのも事実。シュツットガルトの酒井が大活躍しているので、ここは先輩として意地を見せて欲しいよね。