「イルマトフ主審に感謝」ACLグループG 名古屋グランパス-天津泰達

ここまでの2戦は全チームドローで勝ち点2で並ぶという団子状態のグループGだったが、名古屋は難しい中国アウェーで3-0と快勝、セントラルコースト・マリナーズと城南一和が引き分けたために3戦目にしてグループ首位に立った。
だが内容的には点差ほどの楽勝ではなかった。ホームの天津は序盤からラインを押し上げてガツガツと高い位置から激しく当たってくるサッカーを展開し、名古屋もJリーグチームが毎回陥るフィジカルとプレスを受けてのパスミスで自滅、というパターンに陥るのかと思われた。
しかし、そこに立ちはだかったのがアジアNo.1審判と誉れ高きイルマトフ主審。序盤から仕掛けられた天津のラフプレイに対してイエローを連発し、うまく試合をコントロールしてくれたのが名古屋にとって大きかった。もっとも、それ以降は試合を壊してしまう事を回避しようとしたのか、明らかに外でボールをキャッチしたGKや報復行為をした天津の選手に対してカードを出さなかったのは疑問だったが・・・
ともかく、主審のアシストで徐々に落ち着きを取り戻した名古屋は、ダニルソンの広い守備範囲や天津のまずい攻めにも助けられ、徐々に高い天津のDFラインを突破して得点チャンスを作り始め、24分には中盤の高い位置でボールを奪うと、右サイドでパスを受けた藤本がフェイントで相手の体勢を崩してから芸術的なループシュートを決めて名古屋が先制する。
そして後半4分には、綺麗なカウンターから最後はファーサイドでボールを受けた玉田が胸トラップからのミドルを決めて2点差とし、その後圧力をさらに高めた天津の攻撃を凌ぐと、28分にはまたもカウンターから永井がゴール隅にコントロールシュートを決め3点目。最後は中2日で名古屋の足が止まって決定的なピンチを何度も作られたが、相手がシュートをミスしてくれて何とか無失点で終了。
名古屋は守備のリーダーである闘莉王が不在で心配されたが、その穴をダニエルと石櫃という新戦力が良く埋め、攻撃陣も守備陣の奮起に決定力で応えてみせた。その中でも大きかったのはケネディの復調。彼自身に得点こそ無かったが、今までに比べるとロングボールに対する反応が早くなり、相手にボールを取られてもファーストチェックが出来るようになっていたので、セカンドボールを支配される事が少なく、かなりチームを楽にしてくれていた。
ピクシーにとっても、これで今期におけるチームとしての形が出来上がって来たという手応えを掴め、ACLに対する欲が出てきた(笑)試合だったのではないだろうか。次のホームでの天津戦できっちりと叩けばグループ突破はかなり見えてくるはずなので、このまま調子を上げて臨んで欲しいところだね。