「次は決勝進出をかけてアメリカと」アルガルベ杯 グループB 日本-デンマーク

初戦のノルウェー戦を2-1の辛勝でスタートしたなでしこジャパンは、2戦目のデンマーク戦はサブ主体の先発メンバーながら、最後にダメ押し点を決める2-0と安定感のある戦いぶりを見せた。
相手のデンマークは、組織化された2ラインディフェンスとプレッシングを駆使する好チームだったが、攻撃についてはロングボールかトップにボールを当ててから2列目が押し上げるパターンしか無く、パスも基本的に足元主体なので日本選手が前後から挟んでボールを奪う守備をなかなか突破することが出来ず、あまり日本にとっては大きな脅威にはならなかった。
日本は澤が出場していなかった分、サイドチェンジが少なくて大きな展開の攻めは見せられなかったが、各選手の縦へとボールを入れる意欲が非常に高く、ワンタッチで2回もパスをつなぐともうデンマークの選手はついて行けなくなっていたので、前半こそ苦しみはしたものの、後半7分にサイド突破からのグラウンダーに菅澤が飛び込んで先制すると、後は危なげない試合運びでデンマークを圧倒した。
ただ選手個々の評価で言うと、あまり若手に目立った選手はいなかったかなというのが正直なところ。マスコミがスターにしようと躍起になっている京川は視野の狭さが少し目立ったし、後半途中から出場した永里のダイナミックな動きや、川澄のボールスピードを落とさない切れ味鋭いターンとドリブルを見てしまうと、やはりスタメンの攻撃陣には物足りなさが残る。仕方ないとは言え、シュート力もちょっとこれでは厳しいしね。
それだけに、熊谷と岩清水のCBの安定ぶりは素晴らしかった。特に熊谷は相手が相手だけどまるでピケのような余裕のキープでプレスを交わしていて、フランクフルト移籍でさらに経験を積んでレベルアップした感じで頼もしかったね。
さて、次はいよいよ決勝進出をかけてアメリカとの対戦となる。デンマークには5-0、ノルウェーにも2-1とアメリカは相変わらずの強さを見せているが、日本は公式結果ではまだアメリカには勝てたことがないのだから、是非ここでも勝利という結果を残して五輪に向けての弾みにしてもらいたい。